1月24日(日)の午前9時に、合格発表のサイトが開きます。東京農業大学第三高校(東松山市)を単願で受けた家庭は、そこから1月27日(水)の15時までに、入学金228,000円の納入と入学手続のオンライン登録を終えなければなりません。
併願なら期限は3月6日(土)の15時まで延びます。ただ、この学校で最初に考えたいのは手続の期限よりも、手前にある「どの回で受けるか」です。高校からの募集は推薦入試で約330名、一般入試は若干名。しかも推薦と一般では、試験の中身がまったく違います。
推薦にするか一般に残すか、単願か併願か、書類はいつまでに必要か。2027年度の生徒募集要項(高校)と埼玉県の入試要項をもとに、家庭の状況別に整理しました。
推薦で決めに行くか、2月1日の一般に残すか|枠の数が大きく違う
募集要項の定員は400名で、内部進学の生徒を含む数です。県の入試要項では、コース別の高校募集はⅠコース120人、Ⅱコース170人、Ⅲコース40人、中高一貫の内部進学が70人となっています。高校から入る枠は合計330人で、募集要項の「約330名」と合います。一般入試の人数は、募集要項に「若干名」とだけ書かれています。
つまり、東農大三を本気で考える家庭の入口は、実質的に1月の推薦入試(22日と23日)です。2月1日(月)の一般入試は、推薦で結果が出なかったときの再挑戦の場所として使えますが、人数が少ない回だと見ておく必要があります。
試験の中身は別物
- 推薦入試Ⅰ・Ⅱ:国語・数学・英語の3教科、各45分、マークシート方式。英語のリスニングの有無は、2027年度版の要項には書かれていないので、個別説明会で聞いておきます
- 一般入試:国語・社会・数学・理科・英語の総合問題、60分、記述式
推薦は3教科をマークで解く形式、一般は5教科をまとめた1本の問題を記述で答える形式です。「推薦で落ちたら、同じ勉強のまま一般で受け直す」とは行きません。社会と理科を12月以降に仕上げる計画があるかどうかが、一般を現実的な選択肢にできるかの分かれ目です。
この条件の家庭ならこちら
- 東農大三が第一志望で、3教科の力に自信がある:推薦入試Ⅰ(単願)。合格後の手続が1月27日と早いので、家族の意思を先に固めておきます
- 公立が本命で、東農大三は押さえにしたい:推薦入試Ⅰか、Ⅱの併願。手続は3月6日まで待てます
- 推薦で受けなかった、または不合格だった:2月1日の一般入試に再志願できます。5教科の記述に対応できる準備が前提です
推薦入試の合格者は、一般入試に再志願できません。逆に、推薦Ⅰ・Ⅱの志願者が一般を再志願する場合は、調査書を出し直す必要がないと書かれています。推薦を受けたあとで一般に回れるのは、推薦で合格しなかった場合だけ、という並びになっています。
単願と併願の考え方そのものは、別の記事で整理しています。
推薦Ⅰ・Ⅱの使い分けと、Ⅰコース・Ⅱコース・Ⅲコースの選び方
単願はⅠ、併願はⅠかⅡか両方
推薦の種類には、自己推薦、スポーツ推薦、特別推薦の3つがあります。単願で自己推薦・スポーツ推薦・特別推薦のどれを使う場合でも、受けるのは推薦入試Ⅰ(1月22日)です。推薦入試Ⅱ(1月23日)は併願だけの回です。
自己推薦の併願者は、Ⅰ・Ⅱのどちらかを選べて、連続で受けることもできます。検定料は各回25,000円です。ここで押さえたいのは、Ⅰ(22日)もⅡ(23日)も、合格発表は同じ1月24日(日)の9時だという点です。Ⅰの結果を見てからⅡを受けるかどうかを決める、という使い方はできません。
- 1月22日に別の私立を受ける予定がある:同じ日にⅠは受けられないので、Ⅱ(23日)に回します
- どちらの日も空いている:ⅠとⅡを両方受けると、合格発表前に2回の機会を使えます。費用は25,000円が2回分です
- 1回で済ませたい:ほかの私立の日程を並べて、重ならないほうを選びます
埼玉の私立は1月22日と23日に試験が集中します。栄東、浦和実業、埼玉栄などもこの2日に試験日があるので、東農大三をどちらの日に置くかは、ほかの学校の日程と並べて決めることになります。
→ 【2027年入試】埼玉県公立・私立高校入試の年間スケジュール
3つのコースと、スライド合格の仕組み
- Ⅰコース:進学重視。グローバル課程と理数探究課程を含みます。この2つの課程は、教育内容(研修費用など)を理解したうえで選ぶよう書かれています
- Ⅱコース:文武両道
- Ⅲコース:スポーツ科学
募集要項には、スライド合格の制度があります。Ⅰコースを志願して不合格になった場合に、入試の結果によってⅡコースへのスライド合格を希望できます。逆に、Ⅱコースで合格した場合に、結果によってⅠコースへのスライド合格を希望することもできます。入学後も、希望により2年次に進級するときにコースを動ける場合がある、と注意書きにあります。
この仕組みがあるので、Ⅰコースを志願する場合は「届かなければⅡコースでもよいか」を、出願の前に家庭で決めておくと、結果が出てから慌てずに済みます。スライド合格を希望する手続をいつ、どの画面で行うのかは、募集要項には書かれていません。個別説明会で確かめてください。
コース別の偏差値
コース別の偏差値は、Ⅰコースが65、Ⅱコースが61、Ⅲコースが55です。同じ学校の中で10の差があるので、「東農大三は偏差値が高い」と学校名だけで判断せず、お子さんが考えているコースの数字で見てください。
偏差値の出典:みんなの高校情報
単願は1月27日、併願は3月6日|手続の期限と入学金228,000円
入学手続には2つの作業があり、期間内に両方を終える必要があります。ひとつは入学金の納入、もうひとつは入学手続情報のオンライン登録です。入学金を納めたあと、入学金決済サイトから入学手続サイトに進んで登録すると完了します。
推薦入試Ⅰ・Ⅱ(合格発表1月24日 9時)
- 単願:合格発表後~1月27日(水)15時
- 併願:合格発表後~3月6日(土)15時
一般入試(合格発表2月2日 9時)
- 単願:合格発表後~2月4日(木)15時
- 併願:合格発表後~3月6日(土)15時
単願の推薦は、日曜日の朝に発表されて、水曜日の15時が期限です。平日の昼間に銀行へ行く必要はなく、クレジットカード、コンビニ、ペイジー(金融機関ATM)から選べますが、別途手数料がかかります。一般の単願も、火曜日の発表から木曜日の15時までです。合格が出てから家族で相談するのではなく、単願で受けると決めた時点で、入学金の用意と支払い方法まで決めておくほうが安全です。
併願で待てるのは3月6日15時まで。延納金の記載はない
併願の手続期間は、推薦も一般も同じ3月6日(土)の15時です。ほかの私立のように、延納のために一部の金額を納める仕組みは、募集要項に書かれていません。待てる期限が最初から3月6日に設定されている、という形です。
ただし、期限の日には入学金228,000円の全額を納めることになります。要項には「一旦納入された入学金は返金できません」とあります。公立の合格発表の日と3月6日15時の前後関係は、埼玉県教育委員会の発表で確かめて、併願の家庭は先に家族の予定に入れておきましょう。
- 制服採寸:単願は2月7日(日)、併願は3月7日(日)
- 入学予定者への説明会:3月23日(火)。入学手続をした人は出席します
入学後の費用|授業料は令和9年度から変更の予定
初年度の納付金は、募集要項に令和8年度の実績で次の額が載っています。
- 入学金:228,000円(入学手続時)
- 授業料:372,000円(4月・7月・12月の3期)
- 施設設備資金:120,000円(第1期の授業料とともに)
- 維持費:78,000円
- 実験・教材費:60,000円
- その他諸経費(保護者会費・後援会費・生徒会費):49,000円
- 合計:907,000円
注意したいのは、授業料の欄に「令和9年度から金額変更を予定しています」と書かれていることです。上の合計は、2027年度に入学する人がそのまま払う額とは限りません。ほかに学年費、スクールバスの利用料金、修学旅行などの費用も別にかかります。入学時の寄付金と学債はありません。
制服は男子の一式が約60,000円、女子の一式が約65,000円、体育着一式が約40,000円です。就学支援金などで授業料がどうなるかは世帯の状況で変わるので、金額は個別説明会で、自分の家庭の場合として聞いてください。
出願の書類は「必着」|推薦は1月7日、一般は1月28日
出願は、インターネットで入力して検定料25,000円を払い、そのあとに書類を学校へ送る流れです。ここに、日付の読み違えが起きやすい点が2つあります。
推薦入試Ⅰ・Ⅱ
- インターネット出願:12月15日(火)9時~1月6日(水)23時59分
- 書類(郵送):1月7日(木)必着
- 書類(窓口):1月7日(木)9時~15時
一般入試
- インターネット出願:1月23日(土)9時~1月27日(水)23時59分
- 書類(郵送):1月28日(木)必着
- 書類(窓口):1月28日(木)9時~15時
1つめは、書類の期限が「消印有効」ではなく「必着」だという点です。1月7日に学校へ届いていなければなりません。郵便局で出す日ではなく、届く日で逆算します。2つめは、窓口に持参できるのが提出期間の最終日だけ(9時~15時)だという点です。平日に動けない家庭は、郵送を前提に、冬休み明けではなく年内に送る段取りが必要になります。
出願サイトでの入力と支払いが終わると、支払い完了のメールが届き、受験票と受験票(学校控)を印刷できます。受験票は学校から発送されません。自宅のプリンターがなければ、コンビニの印刷サービスを使います(A4・普通紙・白、縮小印刷は不可)。
送る書類は2点だけ。調査書の様式が変わった
- 調査書:埼玉県私学協会標準様式
- 受験票(学校控):顔写真(4cm×3cm、背景無地、3か月以内)を貼るか、写真をアップロードしたもの。貼る場合は裏面に中学校名と氏名を書く
A4サイズの封筒(角2)に宛名状を貼って、簡易書留で送ります。ⅠとⅡなど複数の願書を同時に出すときは、宛名状はどれか1枚で構いません。募集要項には、令和9年度入試から埼玉県私学協会標準様式を採用すると明記されています。中学校の先生には、東農大三に出す調査書が標準様式であることを、早めに伝えておきましょう。受ける学校ごとに求められる様式が違う場合があるので、併願する学校の分もまとめて頼むと行き違いが減ります。
出願書類は調査書と受験票(学校控)の2点で、中学校の推薦書は含まれていません。推薦の資格として書かれているのは、学習活動や特別教育活動にまじめに取り組み、出席状況と日常の生活行動が良好であることです。具体的な評定や欠席日数の基準は、募集要項には載っていません。
試験当日
- 集合は8時40分。出席確認が8時40分~8時45分、諸注意が8時50分~8時55分
- 推薦:国語9時~9時45分、数学10時5分~10時50分、英語11時10分~11時55分
- 一般:総合問題が9時~10時
- 持ち物:受験票、HBの鉛筆、消しゴム、上履き、靴袋
当日は受験生用のスクールバスが運行され、バスダイヤは学校のホームページに載ります。試験会場へは公共交通機関を使うよう書かれています。自然災害のときの対応も、学校のホームページで案内されます。
個別説明会で聞いておきたい5つのこと
推薦の種類に関する質問は、学校の個別説明会で答える、と募集要項に書かれています。基準の数字が要項に載っていない以上、個別説明会は情報を得る数少ない機会です。学校の日程ページには、次の回が載っています。
- 学校説明会と個別説明会:11月21日(土)、11月22日(日)、11月28日(土)
- 個別説明会のみ:12月19日(土)、12月25日(金)
各回の時間と内容は、予約サイト(miraicompass)の案内で確かめます。持ち物と、通知表や北辰テストの結果をどう見せるかは、次の記事にまとめています。
→ 私立高校の個別相談、持ち物は何を用意する?|通知表と成績表
聞くこと
- 推薦の合格の目安:自己推薦で、通知表や北辰テストの結果がどの程度なら出願できるか。基準の数字は公表されていません。個別説明会で聞くのが確実です
- コースの決め方:Ⅰコース志願でスライド合格を希望する場合の出願時の手続と、グローバル課程・理数探究課程の追加費用
- 一般入試の若干名:推薦の不合格者や、推薦を受けなかった人の再志願が、例年どのくらい合格しているか
- 奨学生・特待生:学業成績奨学生と併願特待生が、どの回で、何を基準に決まるか。要項には学校法人東京農業大学の奨学生制度で決定する、とだけあります
- 授業料の変更:令和9年度の授業料が決まっているか。決まっていれば、初年度の納付金の合計はいくらになるか
スポーツ推薦と運動選手特待生
スポーツ推薦は単願者が対象で、強化クラブの顧問(監督)の推薦が必要です。強化クラブは、野球部、陸上競技部(男女)、男子バスケットボール部、剣道部(男女)、サッカー部、男子バレーボール部、テニス部(男女)です。運動選手特待生は募集が5名以内とされ、野球部の特待生に応募するには、所属中学校長の推薦書が必要です。
この枠を考えている家庭は、中学校の顧問の先生ではなく、東農大三の強化クラブの顧問(監督)に相談する点に注意してください。特別推薦も単願のみの対象で、本校の入試担当者に直接相談するよう書かれています。
近い日程・近い地域の3校と、手続の待ち方を比べる
東農大三は、一般入試が2月1日です。同じ日が一般の試験日になっている学校や、地域が近い学校と、試験日、併願の手続の最終期限、待つために必要なお金を比べます(各校の記事に載っている数字です)。
狭山ヶ丘(入間市)
- 試験日:1月22日・23日・24日、2月4日
- 併願の手続の最終期限:3月6日
- 延納に必要なお金:20,000円
聖望学園(飯能市)
- 試験日:1月22日・23日・26日、2月3日
- 併願の手続の最終期限:3月5日(県立受験者)、3月1日(都立受験者)
- 延納に必要なお金:20,000円
叡明(越谷市)
- 試験日:1月22日・23日、2月1日
- 併願の手続の最終期限:3月9日正午
- 延納に必要なお金:10,000円(推薦併願のみ。一般併願は延納なし)
東農大三(東松山市)
- 試験日:1月22日・23日、2月1日
- 併願の手続の最終期限:3月6日15時
- 延納に必要なお金:延納金の記載なし(期限の日に入学金228,000円)
試験日の並びは叡明と同じです。差が出るのは、待ち方です。狭山ヶ丘と聖望学園は、20,000円を先に納めて手続の期限を延ばす形で、叡明の推薦併願は10,000円です。東農大三は、先に納める費用はなく、そのかわり期限の3月6日15時に入学金228,000円の全額を一度に納めます。先に納めるお金を小さくしたい家庭には、都合のよい形です。一方で、期限日に228,000円を動かす用意と、返金されないことへの納得が必要です。
まとめ:東農大三は「推薦の2回」と「書類の必着日」で動き方が決まる
- 高校募集は推薦入試で約330名、一般入試は若干名。推薦は国数英の3教科(マーク)、一般は5教科の総合問題(記述)で、試験の形式が違う
- 単願は推薦Ⅰ(1月22日)。併願はⅠ(1月22日)かⅡ(1月23日)、または両方で、検定料は各25,000円。どちらも合格発表は1月24日の9時
- 推薦の合格者は一般に再志願できない。推薦で不合格だった人は、調査書を出し直さずに一般(2月1日)へ再志願できる
- 手続の期限は、単願が推薦1月27日15時・一般2月4日15時、併願は推薦も一般も3月6日15時。入学金は228,000円で、納めた後は返金されない
- 書類は「必着」で、推薦は1月7日、一般は1月28日。窓口は最終日の9時~15時だけ。調査書は埼玉県私学協会標準様式
- 授業料は令和9年度から金額変更の予定。推薦の合格の目安、特待の基準、追加費用は、個別説明会で聞く
最初にすることは、11月21日、22日、28日の説明会・個別説明会のうち、都合のつく回の予約です。そのうえで、推薦Ⅰ・Ⅱをどちらの日に置くかを、ほかの私立の日程と並べて決め、中学校には調査書の様式と提出の時期を伝えます。日付は、学校の最新の案内で確かめてください。
この記事で確認した資料
- 東京農業大学第三高等学校「2027年度 生徒募集要項(高校)」(11月8日確認)
- 東京農業大学第三高等学校「学校見学会・学校説明会・個別説明会 日程一覧」(11月8日確認)
- 埼玉県「私立中学校・高等学校入試要項」のページ(令和9年度入試要項、2026年9月11日掲載)






