「結局、いつ何があるのか、全体の流れがつかめない」「説明会や模試が重なって、どれを優先すればいいのかわからない」。中学3年生の保護者の方が、秋になると抱えやすい悩みです。
高校入試というと学力検査の日と合格発表の日に目が行きがちですが、実際には私立高校の学校説明会・個別相談会、北辰テスト、公立高校の出願までを含めて、秋から翌年3月まで予定が切れ目なく続きます。
2027年入試(令和9年度)の公立高校は、出願が1月26日から、学力検査が2月25日、面接が2月26日、入学許可候補者の発表が3月5日です。2027年入試を受ける中3は、全員面接・自己評価資料・マークシート方式が同時に始まる最初の学年でもあります。
この記事では、公立高校入試の日程と変更点、私立高校入試と「確約」の考え方、説明会・個別相談会と北辰テストの関係、保護者が確認しておきたいことを、月ごとの流れも含めて整理します。日程は埼玉県教育委員会の公表資料で確かめたものだけを書き、確かめられなかった点は「公式で確認」と書いています。
1. まず年間の流れをざっくりつかむ
細かい話に入る前に、これから入試までの大きな流れを押さえておきましょう。
- 秋(10月〜12月):学校説明会と私立高校の個別相談会が重なる時期。北辰テストも毎月のように続く
- 1月:私立高校の入試が始まる。公立高校の出願入力が1月26日から始まる
- 2月:出願書類の提出、志願先変更、そして2月25日の学力検査と2月26日の面接
- 3月:特色検査(実施校のみ)、追検査、3月5日の入学許可候補者発表
このように、本番の2日間より前の、秋から冬の動き方で選択肢が変わります。とくに私立高校は学校ごとの日程と基準があるため、公立の日程だけを見ていると、併願校の相談の時期を逃してしまいます。
この大きな流れを頭に入れたうえで、それぞれを詳しく見ていきましょう。
2. 埼玉県公立高校入試の日程(令和9年度)
埼玉県教育委員会が公表している「令和9年度埼玉県公立高等学校入学者選抜の日程」では、次のとおりです。
出願から発表までの日程
- 出願期間(インターネット出願):令和9年1月26日(火)〜2月9日(火)
- 出願書類等の提出期間:2月12日(金・郵送による提出)、2月15日(月)、2月16日(火)
- 志願先変更期間:2月17日(水)、2月18日(木)
- 学力検査:2月25日(木)
- 面接(全ての学校):2月26日(金)
- 特色検査(一部の学校):3月1日(月)。2月26日に実施する場合もある
- 追検査:3月2日(火)
- 入学許可候補者発表:3月5日(金)
追検査は、インフルエンザをはじめ、やむを得ない事情で学力検査を受けられなかった人を対象にした日程です。追検査には面接と特色検査がありません。
入学許可候補者の発表後に行う欠員補充の日程や内容は、実施する高校がそれぞれ定めます。時間割や集合時刻、提出書類の細かい扱いは、実施要項と志望校から出る案内で確認してください。
令和9年度から変わる大きなポイント
今の中学3年生が受ける入試から、制度がいくつか変わります。先輩の体験談がそのまま当てはまらない部分があるので、ここは丁寧に押さえておきたいところです。
全員面接の実施
- すべての受検生に、個人面接または集団面接が行われます。形式は高校によって異なります
- 面接は、最初に「My Voice(マイボイス)」として1分30秒〜2分程度で自分の言葉で話し、そのあと3分30秒〜6分程度の質問と応答、という流れです
- 県の案内では、成果の大きさよりも、なぜそれに取り組んだのか、そこから何を学んだのか、高校でどうしたいのかを、自分の言葉で伝えることが大切だとされています
自己評価資料の提出
- 出願のときに提出します。学校内外の活動や、高校でやってみたいことを自分の言葉でまとめた資料です
- 面接の参考にする資料で、得点の計算には使われません
- 調査書から部活動の記録が外れ、その内容は受検生が自分で書くこの資料に移ります
学力検査のマークシート方式
- 解答方法にマークシート方式が入ります。得点に換算すると、マークシート方式がおよそ9割、記述式がおよそ1割です
- 5教科は各100点、合計500点が基本です
- 数学と英語では、校長から届出があった学校が学校選択問題を実施します
共通選抜と特色選抜
- 県が定める方法で行う共通選抜と、各高校が定める方法で行う特色選抜があります
- どちらをどう実施するかは高校ごとに異なり、志望校ごとの「選抜実施内容」に書かれています
- 選抜実施内容は令和7年12月に暫定版、令和8年5月29日に確定版が掲載されています。暫定版と違う点があり得るので、確定版で確認し直してください
内申点の学年比率と面接点
共通選抜では、中学1年・2年・3年の9教科の評定について、高校ごとに学年の比率を選びます。県のQ&Aでは、1:1:1(135点満点)、1:1:2(180点満点)、1:1:3(225点満点)の3つが示されています。
同じ通知表でも、志望校が3年生の評定を重く見るのか、3年間を同じ重さで見るのかで、内申点の意味が変わります。志望校の学年比率は早めに調べておくと、今の勉強の優先順位をつけやすくなります。
特色選抜の学年比率や、面接の配点、第1次選抜・第2次選抜の割合は、高校ごとの選抜実施内容に書かれています。数字は学校によって違うので、この記事では書かず、志望校の確定版で確かめるようにお願いします。
出願と志願先変更の注意点
出願はインターネットで行います。志願先変更ができるのは1回だけです。県のQ&Aでは、いったん学校が電子システムで承認した変更は取り消せないとされています。
倍率を見てから志願先を変えるご家庭もありますが、1回限りという点と、変更の手続きが学校の設置者によって違う場合がある点は、早めにご家庭で確認しておくと安心です。さいたま市立高校や川口市立高校など、県立高校と手続きが別になる学校は、各市教育委員会の案内も見てください。
3. 私立高校入試の日程と「確約」の考え方
私立高校の入試は、公立より早く、1月下旬から始まります。令和9年度の入試要項は、埼玉県が令和8年9月11日に公表しました。全日制の高校は47校、募集人員は17,129人です。
学校ごとの試験日は、県のホームページに載っている各校の入試要項で確認できます。たとえば、単願や併願の第1回を1月22日に行う学校がありますが、日程は学校によって違います。同じ高校でも、単願と併願、第1回と第2回で日が分かれることがあるので、志望校と併願校それぞれの要項で確かめてください。
単願と併願
私立高校の入試は、合格したら必ず入学する「単願」と、他校も受けられる「併願」に分かれるのが一般的です。公立高校を第一志望にして、私立を併願として受けるご家庭が多いのも、埼玉県の特徴です。
単願と併願で、求められる内申点や北辰テストの基準が違う学校もあります。違いを知りたいときは、次の記事が参考になります。
「確約」とは何か
私立高校の個別相談会でよく話に出る「確約」は、正式な制度名ではありません。学校ごとの基準に照らして、「この内申点・北辰テストの成績であれば合格の可能性が高い」と事前に伝えてもらえる、埼玉県でよく知られた慣行です。
基準の数字や運用は学校によって違い、非公表の学校もあります。この記事では、基準の数字をまとめて書くことはしません。基準は、各校の募集要項や説明会の資料で公表されていればそれを見て、公表されていなければ個別相談会で、次のような点を直接確かめてください。
- 基準になるのは内申点か、北辰テストの偏差値か、その両方か
- 北辰テストは何月のどの回の結果が対象になるか
- 3教科と5教科のどちらを見るのか
- 基準に届かないとき、ほかに考慮されることはあるか
各校の基準の目安は、こちらの一覧にまとめています。ただし、年度によって変わる可能性があるため、必ず志望校の公式の案内で確かめてください。
→ 内申・北辰の確約基準一覧【2027年入試】埼玉私立の学校別
確約は、基準を満たしていれば合格の可能性が高いという学校側の目安です。正式な合格は入試の結果で決まります。確約をもらったあとも気を抜かずに、本番まで勉強を続けることが大切です。
延納制度を確認する
私立高校には、公立高校の合格発表(3月5日)まで入学手続きの一部を待ってもらえる仕組みがある学校があります。ただし、名称や条件、期限は学校によって違い、延納がない学校もあります。
合格したら、延納の有無、手続きの期限、先に納めるお金の額を、その場で確認しておいてください。合格直後は忙しい時期なので、書類の期限を見落とさないよう、カレンダーに書き込んでおくと安心です。
4. 学校説明会・個別相談会・北辰テストのつながり
公立高校の学校説明会
公立高校の学校説明会は、学校ごとに日程が違います。夏から秋に開く学校が多い傾向ですが、年度によって変わります。志望校のホームページで、2026年度の日程と予約の要否を確認してください。
私立高校の学校説明会・個別相談会
私立高校は、秋に学校説明会を開き、そのあと個別相談会で、成績をもとに入試の見通しを相談する流れが一般的です。開催時期は学校によって違い、予約制のことが多いので、早めに志望校のホームページを見ておきましょう。
個別相談会には、ご家庭から出向いて参加するのが基本です。中学校の先生にも進路の相談はできますが、「中学校が動いてくれるはず」と待たずに、ご家庭で日程を押さえておくことが大切です。
個別相談会に持っていくものは、こちらの記事にまとめています。
→ 私立高校の個別相談、持ち物は何を用意する?|通知表と成績表
北辰テストの日程
私立高校の相談では、学校によって北辰テストの結果が使われます。令和8年度(今の中学3年生が受ける回)の日程は、次のとおりです。
- 第1回:4月26日(日)
- 第2回:6月21日(日)
- 第3回:7月19日(日)
- 第4回:9月6日(日)
- 第5回:10月11日(日)
- 第6回:11月8日(日)
- 第7回:12月6日(日)
- 第8回:令和9年1月31日(日)
申込期間や成績の確認日は、北辰テストの公式の案内で確認してください。どの回の結果を基準にするかは学校によって違うので、志望校の案内を見て、まだ受けていない回の優先順位を考えます。
11月6日の時点でまだ受けていない回は、第6回(11月8日)、第7回(12月6日)、第8回(1月31日)です。回数が限られているので、1回ごとに、結果を見て何を直すかまで決めておきたいところです。
基準にあと少し届かないときは、次の回までの数週間で、苦手な単元をどこまで埋められるかが現実的な課題になります。ご家庭だけで埋めきれないと感じたら、塾の先生に相談したり、苦手な教科だけ個別の指導を足したりと、外の手を借りるのも選択肢の一つです。
5. 保護者が気をつけたいポイントと月別の目安
予定が重なりやすい
秋から冬は、私立高校の個別相談会、公立高校の説明会、北辰テストが同時に進みます。どれも予約制のことが多いので、日程が出たらすぐにカレンダーに書き込み、重なっているものから優先順位をつけておくと混乱しません。
とくに1月は、私立高校の入試と公立高校の出願入力(1月26日から)が近い日程で動きます。学校ごとの日程を、ご家族で共有しておきましょう。
追検査は例外的な措置
追検査(3月2日)は、インフルエンザなど、やむを得ない事情で学力検査を受けられなかった人のための措置です。追検査があるから大丈夫、と考えずに、1月下旬から2月は生活リズムを整えて、体調管理を入試対策の一部と考えてあげてください。
復習の時間を一緒に確保する
説明会や模試で週末が埋まると、模試の復習が終わらないうちに次の回を迎える、というのはよくある流れです。予定を書き込むときは、復習と苦手対策にあてる時間も一緒に確保しておいてください。
月別のチェックリスト
あくまで一般的な目安です。志望校が決まったら、各校の日程で置き換えてください。
- 11月:志望校の学校説明会と私立高校の個別相談会の予約を確認する。北辰テスト第6回(11月8日)の結果を見直す
- 12月:個別相談会に行く。北辰テスト第7回(12月6日)を受ける。自己評価資料に書く内容を、親子で話しながら整理し始める
- 1月上旬〜中旬:私立高校の出願書類と日程を最終確認する。自己評価資料を仕上げる
- 1月下旬:私立高校の入試。1月26日から公立高校の出願入力が始まる。北辰テスト第8回(1月31日)を受ける
- 2月上旬〜中旬:2月9日までに出願入力を終え、2月12日・15日・16日の提出日を確認する。志願先変更は2月17日・18日の1回だけ
- 2月25日・26日:学力検査と面接
- 3月5日:入学許可候補者の発表。入学手続きの書類と期限を確認する
自己評価資料は、出願時に提出します。1月に入ってから慌てて書くのではなく、12月ごろから、これまでの経験を書き出しておくと、面接の準備にもなります。
6. よくある質問
Q. 令和9年度の公立高校の学力検査はいつですか?
A. 令和9年2月25日(木)です。翌26日(金)には、すべての学校で面接があります。
Q. 公立高校の合格発表はいつですか?
A. 令和9年3月5日(金)に、入学許可候補者が発表されます。
Q. 私立高校の入試はいつから始まりますか?
A. 1月下旬から始まります。1月22日に実施する学校がありますが、日程は学校ごとに違うので、県が公表している各校の入試要項で確認してください。令和9年度の要項は、令和8年9月11日に公表されています。
Q. 私立高校の説明会・個別相談会はいつ行われますか?
A. 学校によって違います。説明会は秋が中心、成績をもとに相談する個別相談会は秋から冬にかけてという学校が多いようです。志望校のホームページで、日程と予約の方法を確認してください。
Q. 志願先変更は何回できますか?
A. 公立高校では、2月17日・18日の期間に1回だけです。
Q. 自己評価資料は点数になりますか?
A. 県のQ&Aでは、得点の算出には使われないとされています。面接の参考にする資料です。
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日程を一覧にしてみて、「勉強にあてる時間が思ったより少ない」と感じたご家庭は、このあとの内容も参考にしてください。
まとめ:日程を共有して、勉強時間も一緒に確保する
埼玉県の高校入試は、学力検査の1日だけで決まるわけではありません。秋の説明会や個別相談会、北辰テスト、1月の出願まで、長い準備の積み重ねです。
- 令和9年度の公立高校は、出願が1月26日〜2月9日、学力検査が2月25日、面接が2月26日、発表が3月5日
- 全員面接、自己評価資料、マークシート方式が同時に始まる年なので、志望校の選抜実施内容(確定版)で確認する
- 私立高校の日程と確約の基準は学校ごとに違う。要項と個別相談会で直接確かめる
- 北辰テストは、11月6日の時点で11月8日、12月6日、1月31日の3回がまだ受けていない回。回ごとに結果を見て、直す点を決める
- 志願先変更は1回限り。2月17日・18日の期間を覚えておく
- 日程を書き込むときは、復習と苦手対策の時間も一緒に確保する
この記事の日程は、埼玉県教育委員会が公表している資料をもとにしています。各校の選抜実施内容や私立高校の試験日は、更新されることがあります。最終的な確認は、必ず埼玉県教育委員会と志望校の公式発表でお願いします。
まずは、家族のカレンダーに11月以降の説明会・相談会・北辰テストを書き込むところから始めてみてください。






