塾の三者面談で親が避けたい7つの言動|北辰と確約

「もうすぐ塾の三者面談だけど、北辰の偏差値が下がっていて気が重い…」

「周りの子は確約をもらっているみたいなのに、うちの子は大丈夫かしら…」

仕事や家事の合間に面談の時間を作るだけでも大変なのに、数字の話が出ると思うと不安になりますよね。その気持ちはとても自然なものです。

三者面談でいちばん避けたいのは、数字を見た不安をそのまま子どもにぶつけてしまうことです。面談の目的は、結果を評価することではなく、残りの期間に何をするかを決めることです。親の一言で子どもが口を閉ざしてしまうと、そこに必要な情報が集まらなくなります。

この記事では、三者面談で親御さんがつい言ってしまいやすい7つの言動と、代わりに言えるひと言を整理します。

あわせて、確約の話や追加講座の提案をどう受け止めればよいか、面談の前後にできる準備も書きました。次の面談の前に読み返してみてください。

埼玉の三者面談で、数字の話が重くなりやすい理由

埼玉県の高校受験には、他県であまり聞かない仕組みがいくつかあります。面談で空気が張りつめやすいのは、親も子もその仕組みの中で数字を見られていると感じるからです。

北辰テストの偏差値が、志望校選びの目安になる

北辰テストは、北辰図書が実施する中学生向けの模擬試験です。埼玉の多くの中学生が受けるため、塾の面談では志望校の合格可能性を考える目安として、この偏差値がよく使われます。

ただし、あくまで模試の結果であり、入試本番の合否を決めるものではありません。一回の結果で一喜一憂せず、複数回の推移で見るのが基本です。

私立高校の確約と、学校ごとの基準

埼玉の私立高校の入試では、内申点と北辰の偏差値などが学校の示す基準を満たしていれば、事前の相談で合格の見込みを伝えてもらえる、いわゆる「確約」の慣行があります。基準は学校やコースによって違い、年度によっても変わります。

基準を公表している学校もあれば、個別相談でしか教えてくれない学校もあります。面談の前に、志望校の基準がどこまで公表されているかを知っておくだけで、数字の話を落ち着いて聞けるようになります。

→ 埼玉だけの「確約」とは|他県出身の親が知る私立の仕組み

時期によって、面談の話の重さが変わる

面談で話す内容は、時期によって変わっていきます。

  • 夏ごろ:北辰の偏差値をもとに、志望校のおおまかな範囲を考える段階です。まだ余裕を持って話し合えます
  • 秋(10〜11月):2学期の内申点の見通しが立ち、確約の可能性が具体的な数字で話題になり始めます
  • 冬(12月〜1月):私立の出願校を最終的に決める段階です。基準に届いているかどうかを、はっきり確認する面談になります

時期が進むほど、親御さんの不安も強くなります。次に紹介するNG言動は、進むほど「つい出てしまう」ものだと知っておくと、自分で気づきやすくなります。

感情と比較が先に立つ言動:NG①〜③

NG①:北辰の偏差値を見て、その場で感情的に責める

北辰テストの結果表を見た瞬間、声のトーンが変わってしまう。その気持ちは痛いほど分かります。

「なんでこんなに下がってるの」「前より悪くなってるじゃない」と、講師と子どもの前で言ってしまう親御さんは少なくありません。

しかし、子どもは面談の前から自分の結果を知っています。すでに落ち込んでいるところに追い打ちをかけられると、「もうこの話はしたくない」という気持ちが働き、その後の面談で本音を話さなくなることがあります。

北辰の偏差値は一回で判断せず、何回かの推移で見ます。志望校との距離を知りたいときは、結果表の判定欄だけでなく、教科ごとの得点や、どの分野で落としたかを見ると、次にやることが見えてきます。

代わりに言えるひと言

  • 「この結果から、次の北辰までにどの教科のどこを伸ばすのがよいですか」
  • 「前回との違いで、いちばん大きかったところはどこですか」

数字を「評価する」のではなく「次の一手を聞く」質問に変えるだけで、面談の雰囲気は変わります。

NG②:兄弟や友達と比べる

「お兄ちゃんはこの時期もっと取れていたよ」「〇〇君は確約をもらったんでしょ?」

周りの状況が耳に入ると、焦るのは自然なことです。けれども受験は一人ひとりが挑むもので、比べられるほど、子どもは「自分は劣っている」と感じやすくなります。比べられて奮起する子もいますが、萎縮して質問もできなくなる子もいます。

同じ中学から同じ塾に通う子がいると、他の子の状況が気になるものです。それは面談の場ではなく、必要なら面談のあとに講師へ個別に尋ねるのが、子どもを傷つけない順序です。

代わりに言えるひと言

  • 「半年前と比べて、この子はどこが伸びていますか」

見るのは、その子自身の半年前との差です。

NG③:講師の前で、長い説教を始める

面談の時間は、多くの場合30分前後と限られています。講師が学習計画や志望校の話に入ろうとしたところで、スマホの使い方や生活態度の長い話が始まると、本題に使える時間が減ります。

生活面の相談そのものは大切です。ただ、子どもの前で長く話すと、子どもは身構えてしまい、志望校の相談で本音を言いにくくなります。

面談で聞いておきたいのは、「いまの内申点と北辰の偏差値は、志望校の基準にどのくらい近いか」「残りの期間に何をするか」の2点です。これらを聞く時間を先に確保してください。

代わりにできること

  • 生活態度の話は、面談の最後に短く伝えるか、家庭で別の日に話す
  • 面談の最初に「この面談では受験の進め方を中心に相談させてください」と一言添える

話す内容を分けるだけで、面談で得られる情報が増えます。

確約とお金の話で気をつけたい言動:NG④・⑤

NG④:確約の細かい数字の話を、子どもの前でしすぎる

秋以降の面談では、確約の基準までの距離が話題になります。「あと少し足りない」「ここを上げれば届く」といった話は、大人にとっては必要な情報ですが、子どもにとっては「自分は数字で判断されている」と感じやすい内容です。

とはいえ、当日に「子どもは席を外してください」と頼むのは、現実的にはハードルが高いものです。無理のない方法は、面談の数日前に「確約に関する細かい確認は、事前に電話で相談させてください」と塾に伝えておくことです。面談のあとに親だけが電話で確認する形でも構いません。

子どもには、方針が固まってから、前向きな言葉で伝えます。「この教科を伸ばせば、選べる学校が広がる」という伝え方なら、プレッシャーが軽くなります。

なお、学校の基準は公表のしかたが学校ごとに違います。面談の前に、志望校の基準が公式に出ているか、個別相談でしか分からないのかを調べておきましょう。

→ 内申・北辰の確約基準一覧【2027年入試】埼玉私立の学校別

→ 単願確約は何校まで?併願確約との違いと選び方

NG⑤:不安なまま、その場で追加講座を決める

面談の終盤に、冬期講習や正月特訓、個別指導のコースなどを勧められることがあります。講座を勧めること自体は、塾の仕事として自然なことです。問題は、不安が高まっているその場で、内容と費用を比べる材料がないまま決めてしまうことです。

その場で申し込むと、帰宅後に費用の合計を計算して想定より大きいことに気づいたり、何の教科のどの単元を補う講座なのかを自分でも説明できないと分かったりすることがあります。決めたあとで「何のための講座か」を塾に聞き直すくらいなら、決める前に聞くほうが落ち着いて判断できます。

その場で決めないための確認項目

  • その講座は、お子さんのどの教科・どの単元の弱点を補うものか
  • 追加する場合の総額(授業料のほかに、教材費や諸経費があるか)
  • いまの授業や家庭学習の時間と、無理なく両立できるか
  • 申し込みの期限はいつか

「一度持ち帰って検討します」と伝えることに、問題はありません。本当に必要な講座であれば、翌日以降に決めても間に合うことがほとんどです。申し込みの期限だけ、その場で確認しておけば安心です。

→ 大手塾のオプション講座|取らなくてよい講座の見分け方

志望校と学校選択問題で気をつけたい言動:NG⑥・⑦

NG⑥:志望校のレベルを、子どもの前で否定する

「その偏差値じゃ無理でしょう」「もっと現実的なところにしたら?」

北辰の結果と志望校の目安に差があると、弱気な言葉が出てしまうこともあります。けれども志望校を変えるかどうかは、時間をかけて、本人が納得して決めるものです。面談の場でいきなり否定されると、子どもは「自分の希望は聞いてもらえない」と感じ、学習意欲まで下がることがあります。

志望校を見直すべきかどうかは、模試の結果だけでなく、内申点の見通しや、受験科目の得意不得意、通学のしやすさなども合わせて考えます。

代わりにできること

  • 面談の場では結論を出さず、「家で本人とも話してみます」と持ち帰る
  • 家庭では、まず子どもがその学校に何を期待しているのかを聞く
  • 講師には「いまの状態から、志望校に近づくには何が必要ですか」と尋ねる

「無理」と決めつけず、必要なことを一緒に整理するほうが、結果として本人の納得感も高まります。

→ 浦高信仰と親の学歴意識|志望校を親子で決めるために

NG⑦:学校選択問題のプレッシャーをかけすぎる

埼玉県の公立高校入試には、一部の学校が採用している「学校選択問題」があります。埼玉県教育委員会の発表では、令和9年度(2027年)入試では、校長から届出のあった23校で、数学と英語に学校選択問題が出題されます。一部に応用的な内容を含む問題で、対象校を志望する場合は、その対策が面談でも話題になります。

ここで「あなたには無理」「普通の問題もできないのに」と言ってしまうと、子どもは上位校へ挑戦する気持ちそのものを失ってしまうことがあります。

学校選択問題が対象になるのは数学と英語で、志望校が対象校かどうかは、県の発表で確認できます。対象かどうかを確かめたうえで、対策を学習計画の一部として、淡々と相談するのが現実的です。

代わりに言えるひと言

  • 「志望校は学校選択問題の対象ですか。対策として、何を追加すればよいですか」
  • 「基本の問題で取りこぼしている部分は、どこですか」

応用問題に進む前に、基本の問題を落としていないかを確認することも大切です。

→ 学校選択問題はいつから対策?浦和・大宮・浦和一女の中3へ

面談の前と後に、家庭でできること

7つのNG言動を見てきましたが、すべてを完璧に避ける必要はありません。つい言ってしまったときは、帰り道や夜に「さっきは言い方がきつかったね」と一言添えるだけでも、関係は立て直せます。

面談の前にしておくこと

  • 最近の北辰の結果表と通知表を見て、聞きたいことを3つまでメモにまとめる
  • 志望校(候補を含む)の基準や入試の方式が、公式にどこまで公表されているかを調べる
  • 確約の細かい話は事前に電話で相談したい、と塾に伝えておく
  • 子どもに「面談で何を聞いてほしいか」を尋ねておく

面談の最中に意識すること

  • 数字への反応は後にして、まず講師の説明を最後まで聞く
  • 比較や志望校の否定はしない
  • 追加講座や志望校の変更は、その場で決めない

面談のあとにすること

  • 子どもに「面談の話で、気になったことはあった?」と聞いてみる
  • 決まったことを、3行ほどでメモに残す(次に確認する日付を含める)
  • 追加講座の検討は、費用の合計と内容を書き出してから判断する

面談で講師に聞いておきたい質問

NG言動を避けるだけでなく、面談の時間を有効に使うには、こちらから聞くことを決めておくのが近道です。聞くことが決まっていれば、数字の話が出ても気持ちが揺れにくくなります。

  • 志望校の基準に対して、内申点と北辰の偏差値はいまどの位置にあるか
  • 次の北辰テストまでに、優先して伸ばす教科と単元はどこか
  • 家庭でできるサポートは何か(声かけ、学習時間の確保、生活リズムなど)
  • 私立の出願校を決める時期と、その前に確認が必要なことは何か

質問の答えは、その場でメモを取っておきます。後から見返したときに「何を言われたか」ではなく「何をするか」が分かる形で書いておくと、次の面談までの家庭での過ごし方が決めやすくなります。

子どもが面談で黙ってしまうとき

面談の最中、子どもがうつむいたまま何も話さないことがあります。親としては「ちゃんと話しなさい」と促したくなりますが、そこで強く言うと、さらに口が重くなりがちです。

思春期の中学生にとって、大人が3人そろった場で自分の成績が話題になるのは、それだけで負担の大きいことです。黙っているのは、反抗ではなく、緊張や気まずさの表れであることも少なくありません。

そんなときは、講師に「この子に聞いてみてもらえますか」と頼んで、答えやすい質問を向けてもらう方法があります。「いまいちばん不安な教科はどこ?」のように、短く答えられる問いなら、子どもも話しやすくなります。うまく話せなかった分は、面談のあとに家で、気楽な雰囲気で聞き直せば十分です。

面談で見えた課題が、集団授業の中では手が回りにくい弱点だったときは、個別指導や家庭教師など、ほかの学び方を検討する余地もあります。これは塾を否定する話ではなく、課題に合う方法を選ぶという考え方です。判断のしかたは、次の記事も参考にしてください。

→ 併願確約は取るべき?2027年入試で保護者が知ること

→ 高校受験で伸びにくい勉強のNG行動6つ|教材と課金の見直し

まとめ:面談は「評価の場」ではなく「作戦会議」にする

三者面談は、志望校合格に向けて、残りの期間の進め方を決める大切な場です。数字が飛び交うからこそ、親の一言が子どもの気持ちに大きく影響します。

この記事の要点を振り返ります。

  • NG①:偏差値を見て感情的に責めず、「次に何を伸ばすか」を聞く
  • NG②:兄弟や友達と比べず、その子自身の半年前との差を見る
  • NG③:長い説教は避け、面談では受験の進め方を中心に話す
  • NG④:確約の細かい数字の話は、事前・事後の電話に分ける
  • NG⑤:追加講座はその場で決めず、内容・総額・期限を確認して持ち帰る
  • NG⑥:志望校を否定せず、持ち帰って本人の考えを聞く
  • NG⑦:学校選択問題は、対象校かどうかを確かめてから、淡々と対策を相談する

次の面談までに、聞きたいことのメモと、志望校の基準が公表されているかの確認だけでも済ませておくと、ずっと落ち着いて話せます。残りの期間、親子で無理のないペースで進めていきましょう。

この記事で確認した資料