北辰の理科・社会が伸びない中3へ|立て直す勉強の順番

「うちの子、北辰テストの理科と社会がなかなか伸びなくて…」

「数学と英語は塾で形になってきたのに、理社だけ点数が上がらないんです」

数学や英語は塾のカリキュラムで少しずつ形になっていくのに、理科・社会だけが取り残される。埼玉県内でも、珍しくないお悩みです。

結論から言うと、理科・社会は「中1・中2の穴を探す → 1問1答で回す → 理由を説明する → 過去問形式で仕上げる」の順番で進めると、短い期間でも立て直しやすい科目です。

理社が伸びない場合には、共通する型があります。この記事では、北辰テストで理科・社会が止まる原因、立て直す勉強の順番、理科4分野と社会3分野の進め方、平日5日の学習モデル、保護者ができることを順に整理します。

なぜ理社は後回しになりやすいのか

多くの塾では、数学・英語・国語の3教科に授業時間の多くを使います。この3教科は積み上げ型で、つまずくと後の単元に響くため、時間をかける必要があるからです。

一方で理科・社会には「直前に詰め込めば何とかなる」という見方が根強くあります。通常授業のコマ数が少なめになりやすく、家庭でも後回しにされがちです。

その結果、中3になっても理社の学習量が3教科に比べて少ないままになりやすくなります。

ただ、これは見方を変えれば伸びしろが大きいということです。理科・社会は暗記の比重が高く、やり方が合えば短期間でも得点が動きやすい科目です。ここで手を付けないのは、とてももったいない話です。

埼玉県公立入試で、理社はどんな位置づけか

埼玉県の公立高校入試は、学力検査(5教科)の得点に調査書の点数などを合わせて合否を決める仕組みです。理科・社会は5教科のうちの2教科ですから、ここで取りこぼすと合計点に直接響きます。

埼玉県の学力検査は、国語・社会・数学・理科・英語の5教科で、各100点の合計500点満点です。数学と英語は、各高校の判断で、応用的な内容を含む学校選択問題に変えることができます。そのぶん「理社は多少落としても3教科でカバーできる」と考えがちですが、合計点で競う以上、理社の取りこぼしはそのままボーダーに響きます。逆に理社で安定して得点できれば、数学や英語で難問を落としたときの余裕になります。

志望校ごとの偏差値の目安は、次の記事にまとめています。目標校の位置を確かめてから、勉強計画を立てるとよいでしょう。

→ 埼玉県公立高校偏差値ランキング【2026年度北辰テスト】

令和9年度(2027年度)入試で変わること

いまの中3は、令和9年度入試を受けます。県が公表している内容のうち、理社の勉強に関わる点は次のとおりです。

  • 日程:学力検査は令和9年2月25日(木)、面接は2月26日(金)、入学許可候補者の発表は3月5日(金)です
  • マークシート方式の導入:学力検査の解答方法にマークシートが入ります。得点に換算すると、マークシートが約9割、記述式が約1割と発表されています
  • 面接:全ての学校で実施されます
  • 調査書:記載内容が見直されます。詳しくは県の実施要項と、志望校の「選抜実施内容」で確認してください

マークシートが中心になっても、理社の勉強の中身が大きく変わるわけではありません。用語を知っているだけでなく、資料や実験結果を読んで選択肢から選ぶ問題が増えると考えて、「なぜそうなるのか」を説明できる状態を目指すのが安全です。これは見立てで、問題の形式は県が公表する資料で必ず確認してください。

内申点とのつながり

北辰テストの偏差値は、学力検査の得点を見積もる目安として大切です。ただ、入試では調査書の点数も合否に関わります。

理科・社会は暗記の比重が高いぶん、定期テストでも点数を取りやすい科目です。理社の土台を固めておくと、北辰テストの得点と、定期テストの成績の両方に効きます。通知表の評定が入試でどう使われるかは、次の記事で整理しています。

→ 埼玉の公立入試で中1・中2の通知表はどう使われる?

理社が伸びないお子さんに多い5つのパターン

理社が伸び悩むときには、次のような共通点が考えられます。複数に当てはまることも珍しくありません。

1. 一夜漬けの暗記になっている

テスト前だけ詰め込んで、終わると忘れてしまう。この繰り返しでは、範囲が広い北辰テストや入試本番には対応できません。短い時間でも、間隔をあけて何度も触れるほうが定着します。

2. 用語は言えるが、理由を説明できない

「光合成」という言葉は知っていても、なぜそのしくみが起こるのかを説明できない。歴史の年号は言えても、出来事のつながりが分からない。こうした状態だと、資料読み取りや記述の問題で点が取れません。

3. 学習時間が足りていない

数学や英語に時間を取られ、理社には週に1〜2時間しか使えていないケースもあります。まず量を確保することが先です。

4. 「暗記科目だからつまらない」と受け身になっている

テキストを眺めるだけの作業になっていると、時間をかけても頭に残りません。実際には、グラフや図表を読んで考える問題も多く、単純な暗記だけでは解けない設問があります。

5. 得意分野と苦手分野の差が大きい

理科なら「生物は得意だが物理が苦手」、社会なら「地理は良いが歴史が弱い」というように、分野ごとの差が大きいのも理社の特徴です。合計点だけを見て安心していると、弱い分野の穴を見逃したまま次のテストを迎えてしまいます。

当てはまるものがあっても、焦る必要はありません。次の章の順番で、一つずつ手を付けていきましょう。

短期間で立て直す勉強の順番

闇雲に問題集を解くより、次の順番で進めるほうが無駄が出ません。夏休みに限らず、学期中でも使えます。

ステップ1:中1・中2範囲の穴を先に探す

理社が伸びない原因は、中3の範囲ではなく、中1・中2の抜けであることが多いと考えられます。

これまでの北辰テストの結果や、学校のワーク、定期テストの答案を見返して、どの単元で失点しているかを書き出してみてください。大問ごとに「できた・あやしい・できない」を色分けするだけでも、穴の位置が見えてきます。

この作業を飛ばして中3範囲だけを詰め込んでも、土台がないので知識が定着しません。

ステップ2:1問1答で短く、何度も回す

1つの単元に長く時間をかけるより、1問1答の形で短時間に何度も繰り返すほうが記憶に残りやすいと言われています。

1日30分でも構いません。できるだけ毎日、理社に触れる時間を作ることが大切です。

間違えた問題には印を付け、翌日と週末にもう一度解きます。同じ問題を3回間違えたら、その単元は教科書や資料集に戻って読み直しましょう。

ステップ3:「なぜ」を自分の言葉で説明する

用語を覚えたら、「なぜそうなるのか」「前後の出来事とどうつながるのか」を、お子さん自身の言葉で説明してもらってください。保護者が聞き役になるだけで十分です。うまく説明できないところが、まだ理解できていない場所です。

ここができるようになると、資料読み取りや記述問題への対応力が上がります。

ステップ4:仕上げは時間を計って過去問形式で

インプットを一通り終えたら、時間を計って過去問や北辰テストの形式で解きます。出題形式に慣れているかどうかで、同じ力でも得点は変わります。過去問の使い方は、次の記事で詳しく書いています。

→ 北辰テストの過去問、いつ解く?春・秋・冬の使い分け

これから入試までの時期に、理社をどんな順番で仕上げるかは、こちらの記事も参考にしてください。

→ 理科・社会が間に合わない中3へ|11月から仕上げる順番

分野別の進め方

理科の分野別の進め方

理科は「物理・化学・生物・地学」の4分野に分かれ、分野によって合う勉強法が違います。一律のやり方で進めると、伸びる分野と伸びない分野の差が広がります。

北辰テストの出題単元は回ごとに変わりますので、手元の問題冊子と成績表で、基礎問題を取りこぼしていないかと、どの単元が出ても対応できる引き出しがあるかの両方を確かめておくことが大切です。

物理(力学・電流など)

公式の丸暗記ではなく、「なぜその式になるのか」を図に描いて理解することを優先します。計算問題が多いので、1問1答だけでは足りません。基本公式を使う典型問題を繰り返し解いて、解き方の型を身につけましょう。

化学(化学変化・水溶液など)

化学反応式や実験器具の使い方は暗記の部分なので、1問1答で固めます。質量や濃度の計算は、物理と同じく典型パターンを繰り返し練習するのが効率的です。

生物(植物・動物・人体など)

比較的暗記が中心で、得点に結びつけやすい分野です。光合成や消化のように、実験の手順と結果がセットで問われる単元は、図や表と合わせて覚えると資料読み取りにも役立ちます。

地学(天体・地層・気象など)

計算が少なく、知識の正確さがそのまま得点になりやすい分野です。たとえば地層は「下にあるものほど古い」という基本のルールを押さえれば、安定して解ける問題が多くなります。イメージしにくい単元は、図解や動画で現象をつかんでから用語を覚える順番が効果的です。

社会の分野別の進め方

社会も「地理・歴史・公民」で進め方が異なります。どの分野でも、写真や図表、グラフを使った資料読み取りの問題が多いので、資料に慣れておくことが大切です。

地理

雨温図と都市の組み合わせ、人口や農産物の統計から都道府県を選ぶ問題、地形図の読み取りなどは、よく見かける形式です。地名や産業を暗記するだけでなく、「なぜその地域でその産業が盛んなのか」を地図帳や資料集で確かめ、因果関係とセットで覚えましょう。

歴史

年号の丸暗記より、出来事の流れを時系列のストーリーとして捉えることを優先します。出来事を古い順に並べる問題は、流れが頭に入っていないと間違えやすい形式です。ある出来事が次の出来事にどうつながったかを、自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。

年号を一問一答で覚えていても、並べ替え問題になると解けないことがあります。年号を覚える前に、「この出来事の原因は何か、その結果何が起きたか」を毎回一言ずつノートに書くと、年号があいまいでも順番が分かる問題が増えていきます。細かい資料の読み取りは、過去問で慣れておく必要があります。

公民

公民は、中3の2学期以降に学校で習う内容が多く、学期の前半は手つかずのことがあります。基本の用語から先に触れておくと、授業での理解が楽になります。政治・経済の仕組みは、ニュースと結びつけると覚えやすくなります。

1週間の学習モデル

「毎日何をどれくらいやればよいのか」が分からないという声も多いので、平日5日の例を挙げます。お子さんの穴の位置に合わせて入れ替えてください。

月曜日

  • 理科(30分):中1範囲の1問1答
  • 社会(30分):地理の1問1答

火曜日

  • 理科(30分):中2範囲の1問1答
  • 社会(30分):歴史の1問1答

水曜日

  • 理科(30分):苦手分野の図解や映像教材
  • 社会(30分):苦手分野の資料読み取り

木曜日

  • 理科(30分):中3範囲の1問1答
  • 社会(30分):公民の基本用語

金曜日

  • 理科(30分):その週の復習テスト(自作で構いません)
  • 社会(30分):その週の復習テスト(自作で構いません)

ポイントは、毎日理社に触れることと、週の最後に復習テストで定着を確かめることの2つです。1日30分でも、続ければ積み上がります。

部活動や学校行事で忙しい週は、1日15分に減らしても構いません。大切なのは、ゼロの日を作らないことです。

家庭でのサポート

家庭だけで抱え込まないために

ここまでの方法は、本人の意欲と合う教材があれば、家庭でも実践できます。ただ現実には、「どこが穴なのか自分では気づけない」「解説を読んでも理解できない」といった場面で足が止まるお子さんもいます。

理社は特に、穴の位置が一人ひとり違います。集団授業では決まった進度で進むため、中1・中2までさかのぼって一人ずつ穴を埋める時間は、取りにくいのが実情です。

そうしたとき、次のような選択肢があります。

  • 学校や塾の先生に、理社の弱い単元を具体的に聞いてみる
  • 個別指導や家庭教師で、理社だけを必要な回数頼む
  • 家庭では、1問1答の丸付けと「説明を聞く役」に専念する

外部の力を足す場合は、何を頼みたいのか(穴の発見なのか、解説なのか、ペース作りなのか)を先に決めると、比べやすくなります。家庭教師と個別指導塾の違いは、次の記事で整理しています。

→ 家庭教師と個別指導塾の違い|埼玉の中3の親が比べる7項目

苦手な1教科だけを頼むときの確認事項は、こちらにまとめました。

→ 苦手な1教科だけ外部に頼むとき、先に確認したい7つのこと

外部に頼む前のチェックリスト

  • 理科・社会だけ、週1回だけなど、必要な科目とコマ数に絞って頼めるか
  • 中3の内容だけでなく、中1・中2の単元までさかのぼって見てもらえるか
  • 北辰テストの結果をもとに、弱い単元を一緒に決めてもらえるか
  • 月謝のほかに、入会金・教材費・交通費がいくらかかるか
  • 講師が合わなかったとき、交代できるか。費用はかかるか

保護者ができるサポート

勉強の中身以外で、保護者の方にできることを3つお伝えします。

1. 量を目に見える形にする

1問1答を何周したか、復習テストの点数がどう変わったかを、カレンダーやノートに記録してあげてください。お子さん自身が積み上がりを実感でき、続ける力になります。

2. 点数だけでなく伸びを認める

理社は、始めてすぐに大きく点数が上がるとは限りません。前回の北辰テストと比べて「どの分野が伸びたか」を見つけて、具体的に伝えてあげましょう。

3. スマホやゲームのルールを一緒に決める

理社の時間が取れない大きな原因は、スマホやゲームの時間です。頭ごなしに禁止すると反発が出やすいので、「30分の理社が終わったら○分」というように、本人と一緒にルールを決めると続けやすくなります。

まとめ:理社は順番を守れば立て直しやすい

理科・社会は、後回しにされやすい分、伸びしろの大きい科目です。次の流れを守って進めてみてください。

  • 中1・中2範囲の穴を先に探す
  • 1問1答を短く、毎日繰り返す
  • 分野の特性に合わせて勉強法を変える
  • 「なぜ」を自分の言葉で説明できるようにする
  • 仕上げは時間を計って過去問形式で解く

数学や英語が学校選択問題になる学校を目指す場合も、理社の取りこぼしは合計点に響きます。最初にできることは、まず直近の北辰テストの理社の答案を並べて、失点した単元を書き出すことです。そこから、今週の30分を何に使うかを、お子さんと一緒に決めてみてください。

数学や他教科の勉強については、こちらの記事も参考になります。