こんにちは、あおばです。
9月の学校説明会を経て、10月から12月にかけて、埼玉県内の私立高校では「個別相談」のシーズンが本格化します。願書提出前に、学校側と保護者・生徒が直接顔を合わせ、内申点や北辰テストの偏差値をもとに「合格の可能性」――いわゆる「確約」がもらえるかどうかを確認する、埼玉独自のシステムです。
多くの保護者の方は「うちの子の成績で確約がもらえるか」だけを気にして当日を迎えます。もちろんそれは最重要ポイントです。ただ、10年間現場で個別相談に付き添ってきた立場から言わせてもらうと、私立高校の先生が見ているのは、生徒の成績だけではありません。
もう一つ、静かにチェックされている項目があります。それが「親の姿勢」です。父親・母親どちらが同席する場合でも、この点は変わりません。
今回は、確約の仕組みそのものから、成績面の見られ方、そして塾業界にいた人間だからこそ知っている「親の姿勢」の見られ方まで、できる限り深く掘り下げてお話しします。
個別相談とは?埼玉県特有の「確約」の仕組みを解説
個別相談は、埼玉県の私立高校入試特有の仕組みです。公立高校のように学力検査の結果だけで合否が決まるのではなく、事前に学校側と面談し、内申点・北辰テストの偏差値などの基準を満たしていれば、「合格を確約する」という言葉をもらえることがあります。
この確約基準は学校ごと、コースごとに異なり、しかも公には明示されていない「グレーゾーン」の情報も少なくありません。そして、この個別相談は単なる「事務手続き」ではありません。私立高校からすれば、入学後にきちんと通ってくれる、学校の校風に合う生徒・家庭かどうかを見極める、実質的な「選考の場」でもあるのです。
単願確約・併願確約・オープン受験の違い
確約には性質の異なるものがあります。まずこの3つを正確に理解しておきましょう。
- 単願(専願)確約:その学校を第一志望とし、合格したら必ず入学することを条件にした確約です。学校側としても「入学してくれる生徒」を確保しやすいため、併願確約よりも基準がやや緩やかに設定されている学校が多く見られます。
- 併願確約(併願優遇):公立高校が第一志望で、公立が不合格だった場合にその私立高校に入学することを条件にした確約です。学校側からすると「公立に受かれば来てくれない可能性がある生徒」への確約になるため、単願確約よりも基準がやや厳しめに設定される傾向があります。
- オープン(一般)受験:確約なしで、当日の学力検査の結果のみで合否が決まる受験方式です。確約基準に届かなかった場合や、あえて確約を取らずに実力で勝負したい場合に選ばれます。
確約基準は内申点と北辰偏差値のどちらを見る?
多くの私立高校が確約の判断材料にするのは、内申点と北辰テストの偏差値の両方です。どちらか一方だけが高くても、確約が出にくいケースは実際にあります。
私立高校の確約基準の多くは、北辰偏差値の「相場感」をベースに設定されています。たとえば、公立の併願先として川越南高校(偏差値60)が視野に入る層なのか、所沢高校(偏差値59)が視野に入る層なのかによって、同時に狙える私立高校の確約ラインも変わってくる、というイメージです。
また、内申点についても、単純な9教科合計だけを見るとは限りません。中3の評定を重く計算するなど学年ごとの比重を変える学校や、特定の教科の評定を基準にする学校もあります。内申点はあくまで「学校ごとの見方の癖」があることを前提に、志望校の基準に照らして確認する必要があります。学校別の確約基準の詳細は「内申・北辰の確約基準一覧【埼玉県私立高校入試】」にまとめていますので、あわせてご確認ください。
個別相談で確約に影響する「親の姿勢」とは?NGな態度・言動
ここからが、今日一番お伝えしたい話です。
個別相談の現場に何十回、何百回と同席してきて感じたのは、私立高校の先生は生徒本人だけでなく、隣に座る保護者の様子もかなり細かく見ている、ということです。あくまで私が現場で肌で感じてきたことであり、学校側が公式に「採点している」と明言しているわけではありませんが、次のような場面で、保護者の対応が確約の空気を左右することを何度も目にしてきました。確約が取れず苦戦するご家庭には、実はこうした共通点が見られます。
子どもへの質問に、親が横から答えてしまう
これは熱心な保護者ほど陥りがちな失敗です。先生が生徒本人に「なぜこの学校を志望したのですか」と聞いているのに、間髪入れずに保護者が答えを引き取ってしまう。悪気はなく、子どもを助けたい一心でやっていることがほとんどですが、先生からすると「この生徒は自分の言葉で考えられていないのでは」という印象につながりかねません。**生徒に聞かれた質問は、まず生徒に答えさせる。**これを徹底するだけでも印象は変わります。
質問への答え方が曖昧
先生が「本校の教育方針についてどう思われますか」と保護者に直接尋ねる学校も珍しくありません。ここで曖昧な相槌だけで済ませてしまうと、「本当に第一志望なのだろうか」という印象を与えかねません。家庭としてその学校をどう理解しているかを、自分の言葉で話せるかどうかが見られています。
態度と身だしなみ
正装である必要はありませんが、清潔感のある服装、時間厳守、面談中の姿勢や相槌の打ち方など、細かい部分は想像以上に印象に残ります。塾講師時代、面談直前に「スマホをずっといじっていた保護者」の家庭が、想定より厳しい条件を提示されたケースを見たことがあります。因果関係を断定はできませんが、少なくとも先生側の心証には影響していたと感じました。
学校のルールへの理解度
「校則」「登校時間」「部活動の方針」など、事前にホームページやパンフレットで確認できる基本情報を把握せずに質問してしまうと、**「この家庭は本気度が低いのでは」と受け取られかねません。**逆に、事前にしっかり調べた上での具体的な質問は、熱意として好意的に受け止められやすい傾向があります。
単願か併願かへの答え方の一貫性
「単願で考えています」と言いながら、他校の話をぽろっと口にしてしまうといった一貫性のなさは、学校側に違和感を与えることがあります。単願・併願のどちらで臨むかは、事前に家庭内で認識をすり合わせておく必要があります。
つまり個別相談は、「生徒の学力審査」であると同時に、「この家庭と3年間、あるいは6年間付き合っていけるか」を学校側が見極める場でもある、ということです。
内申点・偏差値以外でチェックされる「前提条件」と「加点材料」
まず知っておきたい「前提条件(出願条件)」
意外と見落とされがちですが、多くの私立高校では、偏差値や内申の合計点以前に「前提条件(出願条件)」を設けています。たとえば「3年間の欠席日数が一定日数以内であること」「9教科の評定に『1』(学校によっては『2』も)がないこと」といった条件です。どれだけ北辰テストの成績が良くても、この前提条件を満たしていなければ、そもそも確約の対象にならないことがあります。中1・中2の段階からの欠席日数や、日々の授業態度・提出物も無関係ではない、ということは早いうちから知っておいて損はありません。
前提条件をクリアした上での「加点材料」
前提条件を満たした上で、確約ラインが微妙なときに考慮され得るのが、次のような加点材料です。誤解のないように先に言っておくと、これは基準を偽ったり、事実と異なる自己申告をするような話では一切ありません。学校側が確約の可否を判断する際に、公正な材料として考慮してくれる可能性がある要素の話です。
- 英検・漢検・数検などの資格:取得級は、学校によっては加点材料として考慮されることがあります。特に英語教育に力を入れている学校では、英検の級を重視する傾向が見られます。
- 部活動の実績:実績や継続的な取り組みは、学校によっては前向きに評価されるポイントです。ただし、「3年間役員をやっていた」程度の記載では加点されにくいという学校もあり、どの程度の実績が評価対象になるかは学校ごとに差があります。
大切なのは、これらの材料を「口頭で強くアピールする」のではなく、面談の中で自然な形で伝わるように、事前に整理しておくことです。
確約がもらえなかった、条件が厳しかった場合の対処法
個別相談は1校1回きりではありません。結果が思わしくなかった場合の現実的な選択肢も知っておきましょう。
- 二次相談・後日相談を利用する:多くの私立高校では、1回目の個別相談で結論が出なかった場合や、成績が上がった場合に再度相談できる機会を設けています。11月〜12月の北辰テストの結果を持って、再相談に臨むことで条件が変わることもあります。
- 併願校のランクを見直す:確約基準に届かなかった場合、無理にその学校にこだわらず、併願校のラインナップ自体を見直すという選択も現実的です。
- オープン受験に切り替える:確約にはこだわらず、当日の学力検査一発勝負に切り替えるという選択肢もあります。この場合は、より本番の得点力そのものを底上げする対策に時間を割く必要があります。
いずれの場合も、「今の成績で、いつまでに、どこまで伸ばせば選択肢が広がるか」を早めに逆算しておくことが重要です。
個別相談前に準備しておきたい持ち物とチェックリスト
持ち物の基本
- 通知表(中学校での評定がわかるもの)
- 直近の北辰テストの結果表
- 英検・漢検などの資格証明書のコピー
- 部活動の実績がわかる賞状などがあれば、あわせて
当日までのチェックリスト
- 内申点と北辰偏差値の現在地を、志望校の確約基準と照らし合わせて正確に把握する
- 学校研究は生徒だけでなく保護者も同じレベルで行い、志望理由を家庭内で言語化しておく
- 単願・併願のどちらで臨むか、当日までに家庭内の認識をすり合わせておく
- 3年間の欠席日数や内申の評定に、前提条件に触れるものがないかを早めに確認しておく
- 英検・部活動実績など、加点材料になり得るものを整理しておく
- 想定質問への回答を、生徒本人・保護者それぞれの立場で一度声に出して練習しておく
- 服装は正装でなくてよいが、清潔感のある落ち着いた格好を選ぶ
塾では教えてくれない、確約直前期の対策
正直に言うと、多くの学習塾は「確約が出るかどうか」の成績面の対策には力を入れますが、この「親の姿勢」の部分や、加点材料の整理まで踏み込んで指導してくれるところは多くありません。保護者面談の練習まで丁寧に付き合う余裕がある塾ばかりではないからです。
だからこそ、個別相談前の時期は、内申点に直結する提出物や定期テストの対策、北辰偏差値を上げるための弱点補強はもちろん、家庭だけではどうしても練習しづらい「面談本番での受け答え」や「加点材料の整理」まで、1対1でマンツーマンに近い形で伴走してもらえる存在がいると心強い時期でもあります。
うちの読者さんの中にも、「集団塾の一斉授業だけでは、確約ラインぎりぎりの1〜2点が伸びなかった」「面談で何を聞かれるか、家庭だけでは準備しきれなかった」という声をよく聞きます。そういう場合、埼玉の高校受験制度や確約の仕組みそのものに詳しい家庭教師に、直前期だけピンポイントでお願いするというのも、選択肢の一つです。埼玉県の受験事情に特化した家庭教師サービスとしては「合格王」があり、志望校ごとの確約基準を踏まえた学力対策だけでなく、個別相談を見据えた準備まで相談できる点が特徴です。
個別相談の本番が始まる前の今の時期だからこそ、まずは無料相談だけ受けてみて、今の成績で確約ラインに届きそうかを客観的に見てもらう、という使い方をしている家庭もあります。
\ 今の成績で確約が取れるか不安な方へ /
まとめ
私立高校の個別相談は、成績のジャッジの場であると同時に、家庭としての姿勢が静かに見られている場でもあります。
- 確約には単願・併願・オープンという性質の異なる種類があることを理解しておく
- 内申点と北辰偏差値、両方のバランスを事前に把握しておく
- 欠席日数や内申の評定など、「前提条件」を早いうちから確認しておく
- 子どもへの質問には、まず子ども自身に答えさせる
- 確約が厳しかった場合の選択肢(二次相談・併願校見直し・オープン受験)も事前に知っておく
この5点を押さえておくだけで、当日の空気は大きく変わります。お子さんの3年間を預ける学校選びだからこそ、成績面の対策と同じくらい、家庭としての準備にも時間をかけてあげてください。






