受験生の親のNGワード5選【家庭教師・元塾講師が暴露】

こんにちは、あおばです。埼玉県内の大手学習塾で10年間、高校受験の現場に立ってきました。

これまで500名以上の生徒と保護者を見てきて、「これを言ってしまうと成績が伸びるどころか一気に落ちる」と痛感してきたNGワードが5つあります。塾側からはまず出てこない話ですが、退職して自由な立場になった今だからこそ、包み隠さずお伝えします。

中3の受験期、子どもの合否を分けるのは「塾選び」や「教材」以上に、実は「家庭内の言葉」です。特に夏休みが明ける9月は、北辰テストの回数がいよいよ限られてきて、親御さんの焦りが一気に強くなる時期でもあります。今回は単にNGワードを並べるだけでなく、「なぜその言葉が出てしまうのか」という背景と、「具体的に何と言い換えればいいのか」という会話例まで、できる限り深く掘り下げます。

なぜ「何気ない一言」が受験の致命傷になるのか

受験期の中学生は、想像以上にメンタルが不安定です。北辰テストの結果が2〜3ポイント動くだけで一喜一憂し、友人との模試の点数比較に神経をすり減らし、それでいて反抗期特有のプライドの高さも抱えています。

この時期の子どもにとって、いちばん身近で、いちばん影響力の大きい「評価者」は先生でも塾講師でもなく、親御さんです。良くも悪くも、親の一言は本人が思っている以上に深く刺さります。

私が現場で見てきた「言葉で崩れる子」には、ある共通したパターンがありました。成績が下がっているタイミングで否定的な言葉を投げかけられると、子どもの中で「勉強=自分を否定してくる材料」という結びつきができてしまうのです。一度この結びつきができると、机に向かうこと自体が「また否定されるかもしれない行為」になり、無意識のうちに勉強から距離を置くようになります。

逆に、同じ成績の落ち込みでも、親御さんが「結果」と「本人の価値」を切り離して接することができている家庭の子は、驚くほど早く立て直せることが多かったです。言葉の選び方ひとつで、「一時的な下降」で終わるか「長期的な失速」につながるかが、大きく変わってしまいます。

学力的には十分伸びる可能性があったのに、親御さんの言葉がきっかけで急にやる気を失い、そのまま偏差値が下降線をたどってしまったケースを、私は何度も見てきました。裏を返せば、声かけひとつで伸びる子も、実はかなり多いということです。

中3の親が「勉強しない」と呪いの言葉を言ってしまう3つの根本原因

「そんなことは分かっている、でもつい言ってしまう」と感じた方も多いと思います。実際、私が面談で出会ってきた保護者の方々も、決して子どもを傷つけたくて言っているわけではありませんでした。むしろ真剣に向き合っているからこそ、言葉が強くなってしまうのです。

現場で見えてきた「呪いの言葉」が出てしまう根本原因は、大きく3つに整理できます。

原因1:情報が足りず、不安の輪郭がぼやけている

埼玉県の高校受験は、北辰テストの偏差値、内申点、私立の確約基準、学校選択問題の有無など、独自の制度が複雑に絡み合っています。この制度を正確に理解できていないと、「今、子どもがどのくらい合格に近いのか」が親御さんの中で曖昧なままになり、不安だけが漠然と膨らんでいきます。この「正体不明の不安」が、感情的な言葉になって子どもにぶつけられてしまうのです。

原因2:他人の子ども・自分の受験経験との比較

ママ友の子や兄弟姉妹、あるいは親自身の受験時代と無意識に比較してしまうことも、大きな原因のひとつです。比較は基準が違えば意味を持ちません。特に埼玉の入試制度は親世代とはまったく変わっているため、「昔はこうだった」という比較は、子どもにとってはただのプレッシャーにしかならないケースがほとんどでした。

原因3:残り時間へのタイムプレッシャー

夏休みが明けた9月以降、北辰テストの回数がいよいよ限られてきます。この時期になると、親御さん自身が「もう時間がない」という焦りに支配されやすくなります。この焦りが、子どもへの声かけの「圧」を強めてしまう。実はこれが、次に紹介するワースト5の言葉のほとんどに共通する引き金になっています。まさに今の時期、意識しておきたいポイントです。

受験生の親が言ってはいけない「呪いの言葉」ワースト5

第5位「そんな成績じゃ〇〇高校は無理よ」

志望校を引き合いに出して現実を突きつける言葉です。焦らせて発奮させようという意図は分かるのですが、これはほぼ確実に逆効果になります。

北辰偏差値60台後半〜70台の上位校、たとえば浦和高校(普通・男子、偏差値70)や浦和第一女子高校(普通・女子、偏差値69)を目指している子ほど、実はプライドと不安を同時に抱えているケースが多く、「無理」という否定形の言葉は「もうこの人(親)は自分を信じていない」というメッセージとして受け取られます。結果、家庭内で本音を話さなくなり、模試の結果を隠すようになる子も少なくありませんでした。

これは上位校志望に限った話ではありません。偏差値50台後半〜60前後のいわゆる「中上位校」、所沢北高校(普通、偏差値63)や川口市立高校(普通、偏差値60)あたりを目指す層でも、同じ構造は起こります。むしろこの帯域は「あと一歩」の位置にいる子が多いため、否定的な一言がモチベーションを直接削ってしまう危険性が高いとも言えます。

  • NG例:「そんな成績じゃ浦和一女は無理よ」
  • 言い換え:「今の偏差値だと、あと2上げれば射程圏に入るね。どの教科で伸ばせそう?」

否定形で終わらせず、現在地と目標の距離を数字で淡々と伝え、次の一歩を本人に考えさせる形にするのがポイントです。

第4位「お母さん(お父さん)の時はこうだった」

自分の受験経験を引き合いに出す言葉です。悪気なく口にする親御さんが本当に多いのですが、これも要注意です。

埼玉県公立高校入試は制度そのものが親世代とは大きく変わっています。「学校選択問題」の導入や、北辰テストを基準にした私立の「確約」制度など、今の中学生が向き合っているシステムは、20〜30年前とはまったくの別物です。親御さん自身が「今の制度」を正確に理解していないまま経験談を語ると、子どもからすれば「時代錯誤なアドバイス」にしか聞こえず、信頼を失う原因になります。

さらに厄介なのは、この言葉が「あなたの苦労は、私の苦労より軽いはずだ」というニュアンスで伝わってしまうことです。本人は本人なりに、今の制度・今の競争環境の中で必死に戦っています。それを親の物差しで測られると、努力そのものを軽視されたように感じてしまう子が多いのです。

  • NG例:「お母さんの頃は、もっと勉強してたけどな」
  • 言い換え:「今の入試制度、正直お母さんもよく分かってないから、一緒に調べてみようか」

過去の武勇伝を語るより、まずは今の制度を正しく知ることが先決です。「分からないから一緒に調べる」という姿勢のほうが、よほど信頼関係を築けます。

第3位「勉強しなさい」の無限リピート

一見、間違ったことは言っていないように見えるこの言葉。しかし塾講師時代、私が最も多く保護者に「やめてください」とお願いしていたのがこれでした。

「勉強しなさい」は、言われた瞬間、子どもの中で「勉強=親にやらされるもの」という位置づけに変換されてしまいます。人間は本来、自分で決めたことにしかモチベーションを持続できません。この言葉を繰り返すほど、子どもは「自分の意思で勉強している」という感覚を失っていきます。

現場でよく見られたのは、この言葉を毎日のように浴びていた子ほど、リビングで勉強しているふりをして時間をやり過ごす「作業だけの勉強」に陥りやすいという傾向でした。手は動いているのに、頭は動いていない状態です。

ここで一つ注意したいのは、代わりの言葉として「今日の模試、何割取れそう?」のような問いかけに変えるご家庭も多いのですが、これも本人の状態によっては「結果を先取りで詰められている」とプレッシャーに感じてしまうことがあります。声かけの目的は「詰めること」ではなく「対話のきっかけを作ること」なので、まずは結果より先に、本人をねぎらう言葉から入るほうが安全です。

  • NG例:「いつまでスマホ見てるの、勉強しなさい」
  • 言い換え:「お疲れさま、今日は塾(学校)どうだった?疲れてない?」

労いや共感から入り、本人が話したいタイミングで自然に勉強の話題につなげる。命令ではなく「一緒に状況を整理する」姿勢に切り替えるだけで、子どもの受け取り方は大きく変わります。

第2位 模試の結果を人格と結びつける言葉

「だからあなたはダメなのよ」「本当に集中力がないよね」など、模試の点数という「一時的な結果」を、子どもの「人格そのもの」と結びつけてしまう言葉です。

北辰テストは、正直なところ体調やその日のコンディション、出題分野との相性で、偏差値が3〜5ポイント平気で上下する試験です。一回の結果だけで人格否定に近い言葉を投げかけてしまうと、子どもは「次も否定されるかもしれない」という恐怖から、模試そのものを避けたがるようになります。最悪の場合、結果を親に見せなくなったり、模試当日に体調不良を訴えて休みたがったりするケースも、現場では実際にありました。

この言葉が特に厄介なのは、一度使ってしまうと、次に良い結果が出たときにも子どもが素直に喜べなくなることです。「どうせまた下がったら同じことを言われる」という予防線が、成功体験そのものを色あせさせてしまうからです。

  • NG例:「今回もこの点数、だからあなたはダメなのよ」
  • 言い換え:「今回の結果、前回と比べてどの単元が原因だったと思う?」

結果ではなく「原因」に焦点を当てることで、人格否定ではなく分析の会話に変えることができます。

第1位「もう志望校、下げたら?」

断言します。これが、私が現場で見てきた中で最も子どもの可能性を潰す、最悪の破壊力を持った一言です。

特に、内申点や北辰偏差値が私立の「確約」基準にギリギリ届いていないタイミングで、親御さんが不安のあまりこの言葉を口にしてしまうケースが多いのですが、これを言われた瞬間、多くの子どもは「頑張っても無駄なんだ」というスイッチが入ってしまいます。そこから挽回した生徒を、正直あまり見たことがありません。

不安なのはよく分かります。しかし志望校を下げる判断は、あくまで「本人が納得したうえで」「複数の選択肢を並べたうえで」下すべきものです。親が先回りして口にしてよい言葉ではありません。

私立の確約は学校ごとに基準となる内申点や北辰偏差値が細かく決まっており、「もしかしたら届くのか、届かないのか」を正確に把握するだけでも、親御さんの不安はかなり軽減されます。この基準は塾側もあまり積極的には開示してくれない情報なので、まずは客観的な数字から確認することをおすすめします。

  • NG例:「もう無理でしょ、志望校下げたら?」
  • 言い換え:「今の確約ラインと今のあなたの数字、一度整理して見てみようか。そのうえでどうするか、一緒に考えよう」

感情ではなく「数字」から入ることで、親子どちらにとっても冷静な話し合いの土台ができます。

内申・北辰の確約基準については、以下の記事で学校ごとの最新基準をまとめていますので、志望校を下げる前に一度目を通してみてください。

内申・北辰の確約基準一覧【埼玉県私立高校入試】

今日からできる「声かけ」セルフチェックリスト

ここまでの内容を、日々の会話の中でパッと思い出せるように、簡単なチェックリストにまとめました。子どもに何か言おうとした瞬間、頭の片隅に置いてみてください。

  • その言葉は「否定」で終わっていないか(現在地→目標の距離に言い換えられないか)
  • 自分の受験経験を、今の制度を確認せずに語ろうとしていないか
  • 結果を問い詰める前に、まず「労い」の言葉から入れているか
  • 模試の結果を、人格ではなく「原因分析」の話にできているか
  • 志望校を下げる話を、感情ではなく「客観的な数字」から始められているか

全部を完璧にこなす必要はありません。ただ、言おうとした瞬間に一呼吸置いて、このリストを思い出すだけでも、家庭内の空気はかなり変わります。

「呪いの言葉」の代わりに、親ができる本当に大事なこと

結局のところ、親御さんに求められているのは「言葉を我慢すること」ではなく、「不安の正体を、子どもの代わりに調べてあげること」だと私は思っています。

「このままの偏差値で本当に大丈夫なのか」「確約はもらえそうなのか」「今の勉強法で合っているのか」——こうした不安を、感情的な言葉で子どもにぶつけるのではなく、親御さん自身が客観的なデータや制度を調べて、冷静に整理してあげる。それだけで、家庭内から「呪いの言葉」が生まれる余地は、かなり減っていきます。

とはいえ、正直なところ、中3の1年間、仕事や家事をしながら、北辰テストの制度や確約基準、志望校ごとの内申の目安まで自力で調べ続けるのは、想像以上に大変な作業です。私も塾講師時代、面談のたびに「もっと早く相談してくれれば」と感じる保護者の方をたくさん見てきました。

正直、大宮周辺をはじめ地域密着型の進学教室に、体験授業や入塾相談で足を運んだことがある方も多いと思います。私自身、元塾講師として数え切れないほどの三者面談に同席してきましたが、カリキュラムそのものはしっかり組まれている一方で、「その子個人の内申や確約ラインについて、じっくり相談する時間」までは、どうしても確保しきれない、というのが現場のリアルな肌感覚でした。集団塾の三者面談は年に数回、しかも一人あたり15〜20分程度と時間が限られているため、「うちの子は確約ラインに届くのか」「今の声かけで合っているのか」といった、家庭ごとに違う細かい悩みまでは、なかなか拾いきれないのが実情です。塾を辞めて別の塾に移るのはハードルが高くても、今の塾と並行して、子どもの状況を客観的に整理してくれる「もう一人の大人」を頼るという選択肢もあります。

家庭教師であれば、親を介さずに講師が直接本人と向き合い、確約ラインや学習計画をマンツーマンで管理してくれます。親が「勉強しなさい」と言わなくても、第三者の大人が客観的に伴走してくれるだけで、家庭内の空気が驚くほど変わることもあります。

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よくある質問

Q. 北辰テストの偏差値は、どのくらい変動するものですか?

体調や出題分野との相性によって、同じ実力でも偏差値が3〜5ポイント程度上下することは珍しくありません。一回の結果だけで一喜一憂せず、複数回の平均的な推移で実力を判断することが大切です。

Q. 「確約」とは何ですか?

埼玉県の私立高校入試で見られる仕組みで、事前相談などを通じて、内申点や北辰偏差値が学校ごとの基準を満たしていれば、合格の可能性が高いことを示唆される制度のことです。学校ごとに基準となる数字が異なるため、正確な情報を確認することが重要です。詳しい基準は記事内でリンクしている確約基準一覧をご参照ください。

Q. 声かけを変えるのは、いつから意識すればいいですか?

理想は中3になったタイミングからですが、今日気づいたのであれば今日から変えて問題ありません。特に夏休みが明けて北辰テストの回数が限られてくる9月以降は、声かけひとつで残りの追い込み期間の使い方が大きく変わります。

まとめ

受験期の子どもにとって、親の言葉は想像以上に重い意味を持ちます。「そんなんじゃ無理」「お母さんの時は」「勉強しなさい」「だからあなたは」「志望校下げたら」——これらの言葉は、悪気がないからこそ、無意識に口をついて出てしまいます。

大切なのは、感情的な言葉をぶつける前に、まず現状を正しい数字で把握すること。志望校の北辰偏差値の位置づけが気になる方は、こちらの記事で最新のランキングを確認してみてください。

埼玉県公立高校偏差値ランキング【2026年度北辰テスト】

言葉を変えるだけで、子どものやる気は大きく変わります。残りの受験期間、親子で焦らず、正しい情報をもとに歩んでいきましょう。