埼玉の高校受験「とりあえず大手塾」で失敗する親の特徴7選

こんにちは、あおばです。

元塾講師として教壇に立ち、今は個人で家庭教師をしながら、埼玉県内の中学生とその保護者を見てきました。

夏が近づくと、決まって増える相談があります。

「とりあえず大手塾に入れておけば安心ですよね?」という相談です。

結論から言うと、この「とりあえず」が一番危ないんです。

大手塾そのものが悪いわけではありません。カリキュラムも講師の質も、平均以上のところがほとんどです。

問題は、大手塾に入れること自体を「目的」にしてしまい、そこから先の判断を止めてしまう保護者の姿勢にあります。

とはいえ、お仕事や下のお子さんのお世話で毎日忙しい中、北辰テストや確約の仕組みまで完璧に把握するのは、正直かなり大変なことだと思います。

だからこそ、実際に指導現場で見てきた「失敗しやすい保護者」の特徴を、できるだけ具体的に整理しておきます。ご自身に当てはまるところがないか、チェックリストのような感覚で読んでみてください。

特徴1:「みんな行ってるから」で塾を選んでいる

一番多いパターンがこれです。

ママ友の口コミ、上の子の時の実績、駅前の看板の大きさ。判断材料がすべて「知名度」に寄っています。

大手塾が悪いのではなく、「なぜその塾なのか」を自分の子どもの成績・性格・目標校に照らして説明できないまま入塾を決めてしまうことが問題です。

この特徴を持つ家庭には、共通する行動パターンがあります。

  • 体験授業を受けても「雰囲気が良かった」という感想だけで判断し、カリキュラムの中身(集団か個別か、クラス分けの基準、テキストのレベル)を比較しない
  • 「合格実績」の数字を見るが、それが自分の子どもと同じ偏差値帯・志望校の実績なのかを確認しない
  • クラス分けテストの結果、下位クラスに入ってしまった時点で「うちの子には合わない塾だった」と数ヶ月で転塾を繰り返す

以前担当した生徒(仮にRくんとします)は、大手塾の集団授業についていけず、成績がむしろ下がってしまいました。本人は「先生に質問しづらい」「授業のスピードが速すぎる」と感じていたのに、保護者は「あの塾は実績があるから、続けさせれば伸びるはず」と信じ続けていました。

結果として、Rくんは半年近く「わからないまま座っている時間」を過ごすことになりました。塾に通う時間そのものが、学力にとってマイナスに働いていたわけです。

チェックすべきこと
  • クラス分けの基準と、下位クラスになった場合のフォロー体制を確認したか
  • 提示された合格実績が、我が子と同じ偏差値帯・志望校のものか確認したか

特徴2:北辰テストと内申点の関係を理解しないまま塾に「丸投げ」する

埼玉の高校受験では、北辰テストの偏差値と内申点(3科・5科・9科)の両方が合否に関わってきます。

特に私立高校の「確約」を考えるうえでは、北辰テストの偏差値だけでなく内申点も基準に含まれるのが一般的です。

内申点には主に3科(国数英)、5科(3科+理社)、9科(5科+実技4科)という区分があり、私立高校によって「どの内申点をどう見るか」の重み付けが異なります。実技教科の評価を重視する高校もあれば、主要科目中心で判断する高校もあります。

つまり「うちの子は北辰の偏差値は足りているから大丈夫」と思っていても、内申点の区分や実技教科の評価次第で、志望校によっては基準に届いていないケースがあります。逆に、北辰の偏差値がやや足りなくても、内申点でカバーできる高校も存在します。

このあたりの「志望校ごとの組み合わせの相性」は、塾の集団指導の中で一人ひとりに合わせて丁寧に説明してもらえるとは限りません。大手塾は基本的に「学力を伸ばす」ことに特化した仕組みであり、「志望校選定の個別最適化」は塾長面談や進路相談の場で、保護者側からしっかり質問しないと引き出せない情報です。

ところが「塾に通わせていれば、その辺りは全部塾がやってくれる」と考え、志望校選びの根幹を丸投げしてしまう保護者が少なくありません。

チェックすべきこと
  • 我が子の内申点(3科・5科・9科)に合う私立高校の確約基準チェック
  • 公立トップ校(浦和・大宮・市立浦和・浦和一女・川越・川越女子など、学校選択問題実施校)の合否には北辰テストの結果が直接影響しないという理解
  • 私立併願校の確約対策と、公立本命校の学校選択問題対策を、時期も内容も並行して進めるスケジュール管理

特徴3:私立高校の「個別相談」を塾が代行してくれると思い込んでいる

これは埼玉特有の仕組みなので、他県の情報サイトを読んで勘違いしているご家庭が本当に多い部分です。

埼玉県の私立高校で行われる、いわゆる「確約」をもらうための面談は、基本的に生徒・保護者本人が高校の担当者と直接会って行うものです。

東京都のように中学校の担任の先生が高校側とやり取りする「入試相談」の仕組みとは異なります。

夏から秋にかけて、塾関係者だけが集まる「塾対象説明会」という場が各私立高校で開かれます。ここで塾長は生徒の北辰テストの成績データなどを持参し、「この生徒はA判定(=合格の見込みが高い)をもらえそうか」を高校側に事前確認することがあります。これがいわゆる「塾長のコネ」と呼ばれる実態の正体です。

これとは別に、私立高校の推薦入試には「校長推薦」「自己推薦」「特待生推薦」といった基準が設けられています。誤解されがちですが、これらは基準に届かない生徒を裏ルートでねじ込む仕組みではなく、決められた基準を満たした生徒が使える、あくまで正規の推薦ルートです。

そして最終的に基準クリアの見込みが立った生徒・保護者が、高校の窓口に出向いて本人たちで面談を行う、というのが基本の流れです。塾長が保護者の代わりに交渉してくれるわけではなく、面談当日に何を聞かれ、何を答えるべきかは、家庭側で準備しておく必要があります。

なお埼玉県の私立高校は、公立中学校からのクレームを避けるため、公式には「確約」という言葉自体を使いません。「A判定です」「安心してください」といった表現にとどめるのが一般的です。この言い回しの違いも、知らないと戸惑うポイントです。

「塾に入れておけば、あとは塾がすべて交渉してくれる」という認識のまま夏を過ごしてしまうと、秋以降の個別相談で保護者が何も準備できておらず、慌てることになります。

チェックすべきこと
  • 個別相談は保護者・本人が主役であり、塾長が代理交渉する場ではないという理解
  • 高校側が「確約」と言わず「A判定」等の表現を使うことへの心構え

    特徴4:夏期講習のオプションを、必要性を吟味せず全部受け入れてしまう

    大手塾の夏期講習は、通常授業に加えて北辰テスト対策講座などのオプションが用意されていることが多いです。

    こうした対策講座自体は、模試の出題傾向に慣れるという意味で悪いものではありません。相場としては1講座あたり8,000円〜1万円程度が目安で、北辰テスト本体の受験料は4,950円(税込)です。

    問題は、営業トークに押されて「念のため全部取っておきましょう」と、必要性を吟味しないままオプションを積み上げてしまうことです。

    北辰テストは中学3年生の場合、春から翌年1月にかけて年間8回ほど実施される定期的な模試です。「7月〜12月」という時期がよく話題になるのは、この期間に受験した回の結果が私立高校の確約判定で重視されやすいためであり、北辰テストそのものの実施期間ではありません。

    つまり夏休みだけがヤマ場ではなく、9月・10月・11月と続けて対策講座を積み上げていくと、通塾日数・拘束時間がじわじわと増えていきます。

    この見極めをしないまま契約してしまうと、秋の終わりに「結局どのオプションが効いたのか分からない」まま、疲弊した子どもだけが残ります。

    チェックすべきこと
    • 子どもの弱点科目に本当に合っているか
    • 通塾日数・時間が増えすぎて、家庭学習の時間を圧迫していないか
    • 費用が夏だけでなく、秋以降も含めた年間トータルでいくらになるか

    特徴5:模試を「受けさせるだけ」で、当日の流れを把握していない

    オプション講座の中身以前に、そもそも北辰テスト当日がどういう運営なのかを知らないまま、子どもを送り出してしまう保護者も少なくありません。

    北辰テストは公式に「昼食休憩なし」「お弁当は不要」と案内されており、国語から英語まで各科目の間はおよそ10分程度の休憩をはさみながらノンストップで進みます。水分補給は可能ですが、菓子やガムを口にすることは公式に禁止されています。服装も中学校の制服が原則です。

    こうした基本情報を知らないまま、「模試なんだから気軽に行かせよう」と何の準備もさせずに送り出してしまうと、空腹や体調不良で本来の実力を発揮できないまま、その結果だけが確約判定に使われてしまう、ということも起こり得ます。

    塾は「受験の申し込み」まではやってくれますが、「当日どう過ごすか」という細かいコンディション管理までは、家庭側で把握しておく必要がある領域です。

    チェックすべきこと
    • 当日は昼食休憩がなく、休み時間も10分程度であることを子どもに伝えているか
    • 休み時間に口にできるのは水分のみで、菓子やガムはNGだと知っているか

    特徴6:「塾に入れれば安心」で、子ども自身の自走力を見ていない

    これが一番根が深い特徴かもしれません。

    どんなに評判の良い塾に入れても、最終的に偏差値を上げるのは子ども自身が「自分で考えて手を動かす時間」です。

    自習室が完備されている、質問対応が手厚い、といった環境面は大切ですが、それを「使いこなす力」が本人になければ、環境は宝の持ち腐れになります。

    塾に通っているのに家庭学習がゼロ、宿題は塾の教室でギリギリ終わらせるだけ、といった生徒を何人も見てきました。保護者は「塾に行っているから大丈夫」と安心してしまい、家庭での学習習慣づくりへの関与をやめてしまうのです。

    塾は「学習の場」を提供してくれますが、「学習する意志」までは代わりに持ってくれません。ここを塾任せにしてしまうことが、「とりあえず大手塾」が失敗に終わる最大の理由だと感じています。

    チェックすべきこと
    • 塾がない日の家庭学習時間が、ゼロになっていないか
    • 宿題を「塾の教室で終わらせるだけ」の作業にしていないか

    特徴7:上の子の時の「古い常識」のまま、子どもにアドバイスしてしまう

    令和9年度(2027年度)入試からは、主に記述式中心だった出題形式が、マークシート方式を主体とする形に変わることが決まっています。

    こうした制度変更への対応や傾向分析は、個人塾や家庭学習よりも大手塾が最も得意とする領域です。大手塾はカリキュラムを最新の制度に合わせてアップデートしてくれます。

    ただし問題は、塾がいくら新しい対策をしていても、保護者が上の子の時の「記述対策をみっちりやらないと」といった古い常識のまま子どもにアドバイスしてしまうと、子どもが「塾で言われることと、家で言われることが違う」と混乱してしまう点です。

    きょうだいで年齢が離れているご家庭ほど、「前の子の時はこうだった」という経験則が強く残りがちです。塾に任せている制度対応の中身と、家庭での声かけがズレていないか、時々すり合わせておくことをおすすめします。

    チェックすべきこと
    • 上の子の受験時の常識(出題形式など)を、そのまま今の子に当てはめていないか
    • 塾が教えている最新の対策方針を、家庭でも把握できているか

    では、どうすればいいのか

    ここまでの7つの特徴に共通するのは、「塾に入れること」がゴールになってしまい、その先にある

    • 志望校ごとの確約基準や合否の仕組みを正しく理解すること
    • 個別相談で保護者・本人が主体的に動く準備をしておくこと
    • オプションや費用、当日の実務情報まで含めて吟味すること
    • 子ども自身の学習習慣を家庭でも支えること
    • 塾の制度対応と、家庭での声かけをすり合わせること

    という「保護者にしかできない役割」が抜け落ちてしまっている点です。

    大手塾を選ぶこと自体は間違いではありません。ただし「とりあえず」ではなく、我が子の状況と志望校の基準に照らして「なぜその塾・その講座を選ぶのか」を、一度立ち止まって整理してみてください。

    すべてを完璧に把握する必要はありません。まずは今日挙げたチェックポイントのうち、ひとつでも「どうだったかな?」と不安に思う部分があれば、そこから見直すだけで秋以降の動き方は大きく変わってきます。

    「うちの子の内申点だと、どこの私立が確約の射程圏内なんだろう?」

    「今の塾のペースが、子どもの性格に合っているのか第三者の意見が欲しい」

    そう思われた方は、まとまっていなくても大丈夫です。埼玉県の高校入試に強い家庭教師の合格王なら、無料でカウンセリングをしています。よかったら試してくださいね。