中1・中2の定期テストで点が取れない|原因の見分け方

ワークの最初の5ページだけ赤で丸付けがしてあって、残りは真っ白。テスト範囲表の「ワークp.12〜p.41」の文字だけが、机の端に貼られたまま。

「テスト前は毎日勉強してるって言うのに、点数が全然ついてこない」
「本人はやったつもりなのに、返ってきた答案を見ると平均点にも届いていなくて、何を言えばいいのかわからない」

中1・中2の保護者の方が、定期テストの答案を見たときに口にしがちな言葉です。点が取れないと、つい「勉強が足りない」「やる気がない」と考えてしまいますが、点が取れない原因は「勉強時間の不足」よりも「勉強のやり方と順番のズレ」にあることが少なくありません。ズレは、見分ければ直せます。

この記事では、中1・中2の定期テストで点が取れないときの原因を5つに分けて見分ける方法、家庭で取り組める5つのこと、それでも手が回らないときの外部の力の見方を整理します。数字や制度の話は、県の公表資料で確認できた範囲にとどめます。

まず原因を見分ける|点が取れない子のつまずきは5種類ある

定期テストで点が取れないといっても、つまずいている場所は子どもによってまったく違います。場所がわからないまま「もっと勉強しなさい」と言っても、同じ勉強を繰り返すだけで終わってしまいます。まずは、次のチェックリストで当てはまるものを探してみてください。

原因の見分けチェックリスト

  • テスト範囲表を、自分で読んで説明できない(どこが出るのかを把握していない)
  • ワークを1周しただけで「終わった」と言う。間違えた問題の解き直しをしていない
  • 授業中のノートを見返しても、どこが大事なのかわからない
  • 「見ればわかる」のに、何も見ずに書こうとするとできない
  • 前の学年や前の単元の内容があやふやなまま、新しい単元に進んでいる
  • 勉強を始めるのがテスト直前の2〜3日前になっている
  • ワークや提出物が間に合わず、そちらを終わらせるだけで時間が尽きる
  • テストの点が低い教科が、特定の1〜2教科に集中している

当てはまる項目を、次の5つの原因に分けて考えます。

原因1:テスト範囲を正しくつかめていない

定期テストは、学校の授業で扱った範囲から出ます。範囲表をもらっていても、「ワークのどこまで」「教科書のどのページ」「プリントのどれ」と、複数の資料にまたがっていることが多く、子どもが全体像をつかめていないことがよくあります。範囲の一部しか勉強していなければ、勉強した時間が長くても点にはつながりません。

原因2:「やった」のに、解き直しをしていない

ワークを1周して、丸付けをして、間違いに赤で正解を書き写して終わり。この形で終わる子は少なくありません。間違えた問題を、もう一度、自分の力で解けるかどうかを確かめないと、定着しません。テストで点を落とすのは、まさに「一度間違えて、そのまま放置した問題」です。

原因3:「見ればわかる」で止まっている

教科書やノートを見ながらなら理解できるのに、何も見ずに書くとできない。これは、「読んで分かった気になる」状態です。英単語、理科や社会の用語、数学の公式の使い方など、暗記と再現が必要な教科で特に起こります。見て理解するのと、思い出して書くのは、別の力です。

原因4:前の単元・前の学年の穴が残っている

数学の文字式や正負の数、英語のbe動詞と一般動詞の区別など、土台の単元があいまいなまま次に進むと、新しい単元の理解が積み上がりません。中2の一次関数でつまずく子が、実は中1の比例・反比例や文字式でつまずいている、という流れがあります。

原因5:勉強の「始める時期」と「提出物」のバランスが崩れている

勉強を始めるのが直前になると、提出物(ワークやプリント)を終わらせるだけで精一杯になり、「テストのための勉強」の時間が残りません。提出物は評価に関わるので大切ですが、テストの点にもつなげたいなら、提出物を「テスト勉強そのもの」にする使い方が必要になります。

ここで大事なのは、原因は一つとは限らず、教科ごとに違うことも多い、という点です。「英語は原因3、数学は原因4」のように、教科ごとに分けて見ると、手を打つ場所がはっきりします。

なお、お子さんの状況によっては、学習面だけでなく、授業中の集中のしにくさなど、別の事情が関わっていることもあります。そうした心配がある場合は、学校の先生やスクールカウンセラーなど、専門の方に相談してください。この記事では、家庭の学習面で見分けられる範囲に絞っています。

なぜ中1・中2の定期テストを、いま放っておけないのか

「まだ中1・中2だから、受験は先の話」と考えたくなりますが、埼玉の公立高校入試では、中1・中2の通知表も調査書の点数に入ります。県の「令和9年度埼玉県公立高等学校入学者選抜実施基本方針」では、調査書の基本点は、9教科5段階の評定の学年別合計に学年ごとの比率をかけて計算するとされています。共通選抜の比率(1年:2年:3年)は、1:1:1、1:1:2、1:1:3から各高校が選びます。

これは、いま中3のお子さんが受ける令和9年度(2027年)入試の方針です。いま中2のお子さんが受ける令和10年度入試は、日程が県から発表されていますが(学力検査は2028年2月29日)、調査書の扱いなど選抜方法の詳しい内容は、この記事では確認できていないため、同じとは限りません。それでも、通知表の評定が入試に関わる仕組みであることは、今の制度の考え方として知っておく価値があります。詳しい計算の例は、こちらの記事にまとめています。

→ 埼玉の公立入試で中1・中2の通知表はどう使われる?

評定は、定期テストの点だけで決まるわけではなく、提出物や授業中の取り組みも含めて学校が評価します。ただ、定期テストの点は、評定を左右する大きな材料の一つです。テストで点が取れない状態を、「次のテストで頑張ろう」の気合いだけで乗り切ろうとすると、同じ失敗を繰り返しやすくなります。

ワークを期限までに全部提出していても、間違えた問題を、何も見ずにもう一度解く作業が抜けていると、点にはつながりにくくなります。答案を見るときは、点を落とした問題が「ワークで一度間違えた問題」ではなかったかを確かめてください。該当すれば、原因2の解き直しが足りていなかったと考えられます。

家庭でできる5つのこと|取り組みやすい順に

原因が見えたら、次は手を打ちます。家庭でできることを、取り組みやすい順に5つに絞ります。親が勉強を教える必要はありません。「仕組みを整える」役に回るのが、いちばん長続きします。

1:テスト範囲表を、親子で1枚の予定表に書き直す

範囲表をもらった日に、教科ごとに「ワークのここまで」「教科書のここまで」「提出物の期限」を、1枚の紙にまとめます。テストの日までの日数を数えて、1日にどこまで進めるかを割り振ります。親が書くのではなく、お子さんに書いてもらい、親は確認するだけにします。

2:ワークは「2周目で、間違えた問題だけ」を解く

1周目は、丸付けをして間違いに印をつけるところまで。2周目は、印をつけた問題だけを、答えを隠して解き直します。2周目でもできなかった問題が、本当に勉強すべき場所です。全部の問題をもう1周するより、時間も少なくて済みます。

3:覚えたかどうかは、「書いて」確かめる

英単語、理科・社会の用語、数学の公式は、見て確認するだけではなく、白い紙に書いて、何も見ずに出せるか試します。家庭では、親が「この言葉の意味、言ってみて」と口頭で聞くだけでも、効果があります。間違えたものにだけ印をつけ、翌日にもう一度確かめます。

4:勉強の始めどきを、テストの2週間前に前倒しする

テストの直前に慌てる形をやめるには、範囲表をもらった日を「スタートの日」と決めてしまうのが近道です。最初の数日は、1日15分でも構いません。毎日少しずつ触れるほうが、直前の一夜漬けより定着しやすくなります。

5:テストが返ってきた日に、「間違い直し」を15分だけやる

点が取れなかった答案は、その日のうちに、間違いの原因を一緒に確認するチャンスです。「ケアレスミス」「知らなかった」「解き方を忘れていた」の3つに分けるだけでも、次の手が見えてきます。責める口調にならないよう、「どこで迷った?」と聞くのがコツです。

→ 中2の冬から始める高校受験準備|埼玉の親が今知っておくこと

この5つは、どれも家庭で始められます。ただ、原因が「前の学年の穴」だった場合は、家庭だけで立て直すのが難しくなりやすいのが現実です。穴がどこにあるのかを特定するには、前の学年の内容を見られる人が必要で、親が教科を教えられない場合は、特定の段階で止まってしまいます。また、部活や習い事で平日の時間が限られる中では、解き直しの時間を毎回確保すること自体が難しくなります。学校のテスト範囲は年間で何度も入れ替わるため、立て直す前に次のテストが来てしまう、という流れも起こります。

教科別に見る|点が取れない原因が出やすい場所

原因は教科によっても出方が違います。教科ごとの「よくある穴」を、チェックの形でまとめます。当てはまる教科から、手をつけてください。

数学:計算ミスより「解き方の型」を忘れていることが多い

数学は、公式や解き方の型を覚えたつもりでも、問題の形が少し変わるとできなくなる、というつまずきが目立ちます。ワークの解き直しで、「同じ型の問題を、何も見ずに解けるか」を確かめます。中1の正負の数・文字式、中2の連立方程式・一次関数の単元は、前の単元の計算が土台になるので、穴が残っていないか早めに見ておきたい場所です。

英語:単語と文法が、別々に覚えられている

英語は、単語だけ、文法だけ、という覚え方だと、英文を書く問題や読む問題で点がつながりません。教科書の本文を声に出して読み、和訳を見て英文に直せるか試すと、単語と文法の両方が確認できます。中1の一般動詞・be動詞の区別、中2の過去形・不定詞などは、後の単元にずっと関わる土台です。

理科・社会:用語の暗記だけで終わっている

理科や社会は、用語を覚えるだけでなく、「なぜそうなるか」を一言で言えるかどうかで差がつきます。ワークの記述問題や、図・グラフを読む問題を、解き直しの対象に入れておくと、テストの形式に近づけます。

国語:漢字と文法で、取れる点を落とさない

国語は、読解で点を取るのが難しく見えますが、漢字や文法、古文の基本のように、準備すれば取れる部分があります。まず、その部分で点を落とさないことが先です。

どの教科も、「やったつもり」を「できる」に変える作業が、解き直しと、書いて確かめる練習です。この作業を、毎回のテストで繰り返す習慣をつくるのが、結局は一番の近道です。

外部の力を借りるか迷ったとき|塾・個別指導・家庭教師の見方

家庭での工夫を試しても点が動かないとき、外部の力を借りる選択肢があります。特定の塾や会社を勧める意図はありません。選ぶときの見方だけをまとめます。

どんな場合に、外部の力を借りる価値があるか

  • 前の学年の内容にさかのぼる必要がある:穴を特定して、戻って教えてもらえる形が合います
  • テスト前の計画づくりが続かない:範囲表を見て、いつ何をやるかまで一緒に決めてくれる形が合います
  • 親が教えると、お互いに感情的になってしまう:第三者が入ることで、親子の関係が保ちやすくなる場合があります
  • 部活や習い事で、通う時間が取りにくい:自宅やオンラインで受けられる形が合う場合があります

3つの形の大まかな違い

  • 集団授業の塾:時間割が決まっていて、学校の進度とは別に進むことが多くあります。前の学年の穴のように、一人ひとりの細かいつまずきは拾いにくい場合があります
  • 個別指導塾:講師1人に生徒1〜数人の形です。定期テストの範囲に合わせて自分のペースで進めやすい反面、講師の質や担当変更の有無は教室ごとに差があります
  • 家庭教師:自宅やオンラインでの1対1です。つまずきの場所の特定と、学校のテスト範囲に合わせた計画づくりをしやすい形ですが、講師との相性が合わないと続きません

比べるときの項目は、金額ではなく「中身」で見ます。費用は会社によって大きく違うので、この記事では金額を挙げません。

  • 月謝のほかにかかる費用(入会金・教材費・交通費・季節講習)
  • 学校の定期テストの範囲に合わせた指導をしてもらえるか
  • 前の学年にさかのぼって教えてもらえるか
  • 講師を選べるか、合わなかったときに交代できるか
  • 部活や習い事と両立できる曜日・時間帯か
  • 体験授業の有無と、入会前に質問できる機会があるか

この6項目は、1社の説明を聞くだけでは判断できません。月謝のほかの費用や、定期テストの範囲に合わせてもらえるかを、複数の資料で同じ順に見ていくと、違いがはっきりします。

家庭教師と個別指導塾の違いは、次の記事で7つの項目に分けて説明しています。

→ 家庭教師と個別指導塾の違い|埼玉の中3の親が比べる7項目

やらなくていいこと

点が取れないと、親も焦って、あれこれ手を出したくなります。逆効果になりやすいことも挙げておきます。

  • 勉強時間だけを増やそうとすること。やり方がずれたまま時間を増やすと、疲れだけが残ります
  • 全教科を同時に立て直そうとすること。まず、1〜2教科に絞ったほうが続きます
  • 答案を見て、点数だけで叱ること。点数ではなく、間違いの原因に目を向けるほうが、次の行動につながります
  • 他の子の点数と比べること。学校やクラスによってテストの難しさは違うので、比べても判断材料になりません

親が「点が取れなかった理由を一緒に探す」姿勢でいるほうが、お子さんも次の手を打ちやすくなります。

答案の見直しから学年末テストまで、順に進める3段階

これから春までにやることをまとめます。お子さんの学校の予定表に合わせて、時期は調整してください。

今週中にやること

  • 直近の定期テストの答案を見て、点を落とした教科と、間違いの種類(知らなかった・忘れていた・ケアレスミス)を一緒に確認する
  • 点が低かった教科のワークを開いて、解き直しの印がついているかを見る
  • 次のテストの範囲表がまだ出ていなければ、学校の予定表で、いつごろ出るかを確かめる

次のテストまでにやること

  • 範囲表をもらった日に、親子で1枚の予定表をつくる
  • ワークの2周目(間違えた問題だけ)を、テスト前日までに1回は終わらせる
  • 外部の力を借りるか迷っている場合は、塾・個別指導・家庭教師の資料を取り寄せ、月謝以外の費用や定期テスト対応の項目を並べて見比べる

学年末までにやること

  • 前の学年の内容で、穴が残っている単元に戻れているかを確認する
  • 学年末の通知表が出たら、各学期の数字を並べて、どの教科が動いたかを見る
  • 県の公式サイトで、受検する年度の入試の日程や制度を確認する

今、動く理由|次のテストの範囲は、すでに動き出している

「受験はまだ先だから、もう少し様子を見よう」と思う気持ちはよくわかります。ただ、中1・中2の定期テストは、学期ごとに何度も来ます。2学期のテストが終わったあとも、3学期の学年末テストと、新学年の最初のテストが続きます。実施の時期は学校ごとに違うので、お子さんの学校の予定表で確認してください。

点が取れない状態が長く続くほど、「前の単元の穴」も積み重なります。穴が小さいうちに戻れれば、取り戻す時間も短くて済みます。外部の力を借りるかどうかは、資料を見てから決めても遅くありません。まず比べる材料をそろえることが、焦らずに判断する近道です。

まとめ:点が取れない原因は、勉強量よりやり方のズレにあることが多い

  • 定期テストで点が取れない原因は、範囲の把握不足、解き直しの不足、「見ればわかる」で止まっている、前の単元の穴、始めどきと提出物のバランスの5つに分けて見分けられます
  • 家庭では、範囲表を予定表にする、ワークは2周目で間違えた問題だけ解く、書いて確かめる、2週間前に始める、返却日に15分だけ間違い直しをする、の順に変えやすいです
  • 埼玉の公立入試(令和9年度の方針)では、中1・中2の通知表も調査書の点数に入ります。令和10年度以降の制度は、県の公式サイトで確認してください
  • 前の学年の穴が原因のときは、家庭だけで立て直すのが難しくなりやすく、外部の力を借りるかどうかは、資料を同じ項目で比べてから決めれば十分です

最初の一歩として、今夜は直近の答案を一緒に見て、点を落とした問題を「知らなかった」「忘れていた」「ケアレスミス」の3つに分けてみてください。それだけで、次のテストでどこから手をつけるかが見えてきます。