「二学期の通知表、苦手教科に『2』がついてしまった。これでは私立の確約はもうもらえないかもしれない」——夏休みが明けるこの時期、そんな相談が急に増えます。
内申点は一度ついてしまうと取り返しがつかないもの、と思い込んでいる保護者の方は少なくありません。ですが実際には、「2」があること自体よりも、どの教科の「2」か、どの高校を選ぶか、そしていつ動くかによって、確約の可能性は大きく変わります。焦って志望校を諦めてしまう前に、まず仕組みを正しく知ることが大切です。
この記事では、次の流れで一発逆転のための高校選びを整理していきます。
- そもそも「2」はなぜつくのか(絶対評価という仕組み)
- 「2」の重み方は評価区分(3科・5科・9科)でまったく違う
- 教科別「2」の影響と、狙うべき高校の戦略
- 内申の合計はギリギリだが北辰偏差値でカバーできる場合
- 単願と併願で確約基準の出方が変わる場合
- 「2学期の巻き返し」に潜む時期的な罠
- 公立トップ校を狙う場合、確約とは切り離して考える
忙しい中でこの記事にたどり着いた方も多いと思いますので、まずは全体像から順にお伝えします。
そもそも「2」はなぜつくのか——絶対評価という仕組み
「2」がつくと、周りの生徒と比べて大きく劣っているように感じてしまいがちです。ですが、いまの通知表の評価方法は、以前のような「クラスの中で何番目か」で決まる相対評価ではなく、その教科で決められた到達目標に対して、どこまで達成できたかを見る絶対評価です。
つまり「2」は、クラスの順位が低いことを直接示す数字ではなく、特定の単元やテストでの理解度が目標に届かなかったことを示している場合が多いということです。定期テストの点数が悪かった、提出物が期限に間に合わなかった、授業態度の評価項目で基準に届かなかった、など理由はさまざまで、2学期以降に立て直せる要素が含まれていることも珍しくありません。
この前提を知っておくだけでも、「もう挽回は無理」という思い込みから一歩離れて、次の一手を考えやすくなります。
「2」の重み方は評価区分(3科・5科・9科)でまったく違う
中学校の通知表は、多くの場合5段階評価×9教科=45点満点の形で評価されます。私立高校が確約の判断に使うのは、ここから主要教科だけを見る「3科」(国・数・英)、「5科」(3科+理・社)、そして実技4科まで含めた「9科」という区分です。
同じ「2」でも、どの区分で評価する高校を選ぶかによって、数字上の重みは大きく変わります。9科評価より3科・5科評価の高校の方が、実技教科の「2」の影響を薄められる、というのが基本の考え方です。
ただし、ここで一つ厳しい現実もお伝えしておく必要があります。学校によっては、北辰テストの偏差値がどれだけ基準を超えていても、「主要教科に2があると確約が出ない」「2学期の通知表で2をなくすことが条件」といった、内申点そのものへの最低ライン(足切り)を設けているケースがあります。評価区分を工夫すれば必ず何とかなる、というものではなく、最終的には志望校ごとの募集要項や個別相談での説明を直接確認することが欠かせません。
- 志望校候補が3科・5科・9科のどの評価方式かをリストアップする
- 「2」がついた教科が、その評価区分に含まれるかどうかを確認する
- 志望校に「2があると確約不可」という最低ラインが設けられていないか、個別相談で必ず確認する
教科別「2」の影響と、狙うべき高校の戦略
「2」がついた教科によって、取るべき対策は変わってきます。ここでは3つのパターンに分けて整理します。
- 数学・英語に「2」がある場合(影響:大) 3科・5科評価いずれにも必ず含まれる教科のため、内申点への影響が最も大きく出ます。内申点より北辰テストの偏差値や当日の入試得点を重視して確約を出す高校を探す方向が有効です。ただし、こうした「当日点・偏差値重視型」の枠は、上位校や特進コースなど一部に限られる傾向があり、簡単に多数見つかるものではない点は理解しておいてください。
- 理科・社会に「2」がある場合(影響:中) 5科・9科評価には含まれますが、3科評価(国・数・英のみ)の高校であれば、この「2」は評価そのものに含まれなくなります。3科評価の高校を候補に加えられないか検討する価値があります。
- 実技教科に「2」がある場合(影響:小) 9科評価にのみ含まれる教科です。同レベル帯で3科・5科評価の高校を比較検討することで、影響をほぼゼロに近づけられる可能性があります。
同じ偏差値帯の高校でも、評価方式や基準は学校によってばらつきがあります。この違いを保護者だけで一校ずつ調べるのは、正直かなり骨が折れる作業です。
- 「2」がついた教科が、志望校の評価区分・入試当日の試験科目に含まれているか確認する
- 「当日点重視型」の高校は選択肢が限られることを踏まえ、複数校を比較候補に入れておく
- 実技教科の「2」を理由に、必要以上に併願ランクを下げていないか見直す
内申の合計はギリギリだが北辰偏差値でカバーできる場合
「2」が1つあっても、他の教科でバランスよく点を稼げていれば、9科・5科いずれの合計でも大崩れしていないケースは実はよくあります。
このケースで重要なのは、内申の合計点だけで一喜一憂しないことです。確約は内申点だけで決まるのではなく、北辰テストで学校ごとに設定された基準偏差値を、7月以降の複数回の中で2回クリアすることもあわせて条件になっている学校が主流です(一部、複数回の平均偏差値を基準とする学校もありますが、これは例外的な扱いです)。実際、上位校の中には、偏差値基準さえ満たしていれば内申点はそこまで厳しく問われない、という学校もあります。
内申がボーダーラインでも、北辰テストで基準偏差値を2回クリアできれば、確約に届く可能性は十分残っています。9月以降の北辰テストで結果を出すことが、内申の「2」を数字の上で補う現実的な手段になります。
- 「2」以外の教科の内申点を含めた合計を、志望校の評価方式で計算し直す
- 志望校の基準偏差値と、直近の北辰テストの自己偏差値を比較する
- 残りの北辰テストで基準偏差値を2回クリアすることを当面の目標にする
単願と併願で確約基準の出方が変わる場合
同じ高校でも、単願確約と併願確約とで、内申点や偏差値の基準が異なることがあります。一般的に単願の方が基準がやや緩やかに設定される傾向があるため、「この高校は無理」と判断する前に、単願・併願それぞれの基準を分けて確認する価値があります。
ここで注意したいのは、単願確約をもらった場合、その高校以外への出願はできないという点です。複数の高校から単願確約自体をもらうことは問題ありませんが、単願で確約をもらいながら他校にも出願するのはルール違反にあたります。「2」がある中でどうしても行きたい第一志望があるなら、単願確約という選択肢も含めて検討する価値はあります。
- 志望校の単願確約と併願確約、それぞれの基準を個別に調べる
- 単願確約を選ぶ場合、他校への出願ができなくなる点を理解した上で判断する
- 「単願なら基準が届くかどうか」を塾や相談窓口で個別に確認する
「2学期の巻き返し」に潜む時期的な罠
「2学期の成績が上がれば、まだ挽回できる」——これ自体は間違いではありません。ただし、ここには見落とされがちな時期的な落とし穴があります。
私立高校の個別相談は、早い学校では9月から、多くの学校で10月には本格的に始まり、11月にピークを迎えます。一方、2学期の通知表(仮内申)が保護者の手元に届くのは、多くの中学校で三者面談を通じて12月に入ってからです。つまり、「2学期の通知表が出てから相談に行こう」と構えていると、その時点ではすでに個別相談の予約枠が埋まっている、という事態になりかねません。
大切なのは、2学期の通知表を待つのではなく、1学期の内申点と直近の北辰テストの結果を持って、夏〜秋のうちにできるだけ早く個別相談に参加することです。その時点で基準に届いていなくても、「この教科の内申点が上がれば基準を満たせます」といった具体的な条件を教えてもらえることが多く、そこから2学期にかけて何を立て直せばよいかが明確になります。早めに動くほど、相談の予約枠にも余裕があります。
- 2学期の通知表を待たず、1学期の内申点と直近の北辰偏差値を持って夏〜秋のうちに個別相談へ行く
- 個別相談で「あと何が足りないか」を具体的に確認し、2学期の学習の優先順位を決める
- 志望校ごとの個別相談の受付開始時期を早めに調べ、予約枠が埋まる前に動く
まとめ
「うちの子の内申点で、この高校は本当に狙えるのか」「この評価方式なら、もう少し可能性が残っているのではないか」——通知表を見た瞬間はそう思っても、実際に高校ごとの評価方式や足切り条件、個別相談の時期を一校ずつ調べて比較するのは、保護者だけで進めるにはかなりの時間と手間がかかります。しかも私立高校は「確約」という言葉を公には使わないため、どこまで本音を聞き出せているのか、判断がつきにくいという難しさもあります。
数十校ある埼玉県の私立高校の中から、「2があっても確約が届く学校」を、しかもタイミングを逃さずに見つけ出すのは、正直なところ至難の業です。
「2」があるからといって、選べる高校がなくなるわけではありません。むしろ評価方式や単願・併願の違い、そして動き出す時期を知っているかどうかで、選択肢は大きく変わります。
今のお子さんの内申点と北辰の偏差値から、実際にどの高校で確約の可能性があるのか。現在の成績から「今すべきこと」を相談したい場合は、埼玉県の高校入試に強い家庭教師の合格王の無料カウンセリングを受けてみてもよさそうですね。






