「2学期の通知表に『2』がついてしまった。これでは私立の確約はもう難しいのだろうか」。通知表を受け取ったあと、そんな不安を抱えるご家庭は少なくありません。
内申点は一度ついたら取り返しがつかないもの、と感じるのも無理はありません。「2」がついた直後は、保護者の方も本人も、必要以上に悲観的になりやすいものです。
通知表に「2」があるだけで、確約(事前の合格見込みの相談)が取れなくなるとは限りません。ただし、どの教科の「2」か、志望校がどの評価区分で内申を見るか、そして学校ごとに最低ラインがあるかどうかで、結果は変わります。これは学校ごとに異なるため、最終的には志望校への確認が必要です。
この記事では、次の流れで整理します。
- 「2」がどういう仕組みでつくのか(絶対評価)
- 3科・5科・9科の評価区分による「2」の重みの違い
- 教科別に見た「2」の影響と、候補校の考え方
- 内申がぎりぎりのときの、北辰テストの偏差値の位置づけ
- 単願と併願で基準が分かれる場合の注意点
- 個別相談に行く時期と、確かめることの具体例
お仕事や家事でお忙しい中だと思いますので、各節の最後のチェックリストだけ拾い読みしても、次にやることがわかるようにしています。
そもそも「2」はなぜつくのか|絶対評価という仕組み
「2」がつくと、クラスの中でも下のほうにいるように感じてしまいがちです。ですが、いまの通知表は、クラスの中の順位で決める相対評価ではありません。学習指導要領に沿って決められた観点ごとに、どこまで到達できたかを見る絶対評価が基本です。
観点別の評価は、おおむね「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3つで行われます。定期テストの点だけでなく、提出物や授業での取り組みも評価に入るため、「2」の理由が1つとは限りません。
たとえば、テストの点は平均くらいでも、提出物の遅れや未提出が重なって「2」になることがあります。この場合は、原因がはっきりしている分、次の学期に立て直しやすい面があります。
ただし、評価のつけ方は中学校や教科担当の先生によって差があります。「どの観点が足りなかったのか」は、通知表の観点別の評価欄や、担任・教科担当の先生に聞くと具体的にわかります。原因がわかれば、残りの期間で何を直せばよいかが決まります。
チェックリスト
- 通知表の観点別の評価(A・B・C)を見て、どの観点が低かったかを確かめる
- 提出物や授業態度など、すぐ直せる要素が含まれていないかを確認する
- 気になる点は、学校の先生に「次の学期に何を直せばよいか」と聞いてみる
「2」の重みは評価区分(3科・5科・9科)で変わる
中学校の通知表は、多くの場合、5段階評価で9教科(合計45点満点)です。私立高校は、このうち主要教科だけを見る「3科」(国語・数学・英語)、理科・社会を加えた「5科」、実技4教科まで含めた「9科」といった区分で内申を見ることがあります。
同じ「2」でも、その教科が評価区分に含まれるかどうかで、数字の上での影響は変わります。たとえば実技教科の「2」は、3科や5科で見る学校なら、基準の計算には入りません。
一方で、学校によっては「主要教科に2がないこと」や「9科のうち2がないこと」といった条件を設けていることがあります。合計点が基準を満たしていても、個々の教科の評定に条件がついているケースです。こうした条件は学校ごとに異なり、公表のしかたも違います。
評価区分を選べば必ずなんとかなる、というものではありません。基準は、各校の募集要項や個別相談での説明が正式な情報です。ネットの噂や古い年度の情報だけで、可能性を判断しないようにしてください。
→ 内申・北辰の確約基準一覧【2027年入試】埼玉私立の学校別
チェックリスト
- 志望校の候補が、内申を3科・5科・9科のどれで見るかを公式サイトで調べる
- 「2」がついた教科が、その評価区分に含まれるかを確かめる
- 教科ごとの最低ラインがあるかどうかを、個別相談で必ず質問する
教科別に見た「2」の影響と、候補校の考え方
「2」がついた教科によって、考え方は少し変わります。ここでは3つに分けます。
数学・英語に「2」がある場合
3科・5科・9科のどの区分にも含まれる教科なので、内申への影響は最も大きくなります。まず、2学期の期末テストや提出物で、この教科を上げられる余地がどれだけあるかを担任の先生と確認します。
そのうえで、内申の基準に加えて、北辰テストの偏差値や入試当日の得点を重く見る方針の学校がないかを調べます。ただし、そうした学校や枠は限られていて、簡単に多数見つかるとは限りません。複数の学校を比較候補に入れておく必要があります。
理科・社会に「2」がある場合
5科・9科には含まれますが、3科(国語・数学・英語)で見る学校なら、基準の計算には入りません。3科評価の学校を候補に加えられないか、調べてみる価値はあります。ただし、入試当日の試験科目に理科・社会が含まれる場合は、教科そのものの対策は必要です。
実技教科に「2」がある場合
9科評価にだけ含まれる教科です。同じような学力帯の学校で、3科や5科で内申を見る学校と比べると、影響が小さくなることがあります。ただし、実技教科にも最低ラインを置く学校があるかもしれません。「実技だから大丈夫」と決めつけず、確認しておきましょう。
たとえば理科に「2」がある場合、内申を3科(国語・数学・英語)で見る学校なら、理科の「2」は基準の計算に入りません。一方で、「どの教科にも2がないこと」を条件にしている学校もあります。一つの数字で見切るより、評価区分と最低ラインを学校ごとに確かめるほうが、現実的な判断になります。
同じような学力帯の学校でも、評価方式や基準はばらばらです。これを保護者が一校ずつ調べるのは、手間がかかります。打てる手は、「2」のついた教科の点を次の定期テストで上げる準備を進めながら、候補を比べることです。
チェックリスト
- 「2」がついた教科が、志望校の評価区分と入試当日の試験科目に含まれるかを整理する
- 内申以外の要素(北辰テストの偏差値、当日の得点)を重く見る学校があるかを調べる
- 実技教科の「2」を理由に、必要以上に志望校のレベルを下げていないかを見直す
内申がぎりぎりのときの、北辰テストの偏差値の位置づけ
「2」が1つあっても、ほかの教科で積み上げていれば、合計は基準の範囲内ということはよくあります。大切なのは、内申の合計点だけで一喜一憂しないことです。
私立高校の推薦の基準は、内申点に加えて、北辰テストなどの偏差値を条件にしている学校があります。偏差値の条件も、「1回でも基準を超えればよい」「複数回の結果を見る」「平均で見る」など、学校ごとに違いがあります。受験する回の指定がある学校もあります。
このため、「何回クリアすればよいか」「どの回の結果が対象か」は、一般論では判断できません。志望校の公式サイトの募集要項か、個別相談で必ず確認してください。確認する前に、手元にある北辰テストの結果を並べておくと、話が早く進みます。
内申が基準にぎりぎり届かない場合でも、学校によっては、ほかの要素を合わせて見てくれる場合があります。見てもらえるかどうかは、事前に相談しないとわかりません。基準を満たしていないことを隠さず、現在の状況をそのまま伝えて、どうすれば基準に近づけるかを教えてもらう姿勢が大切です。
北辰テストの結果を見るときは、総合の偏差値だけでなく、教科ごとの偏差値も確認してください。内申で「2」がついた教科が、北辰テストでも低いのか、それとも北辰テストでは取れているのかで、対策の方向が変わります。
北辰テストでは取れているのに内申が低い場合は、提出物や授業での取り組みなど、テスト以外の観点が原因かもしれません。逆に、北辰テストの点も低い場合は、その教科の基礎に戻る必要があります。どちらなのかを切り分けるだけでも、2学期の残りの時間の使い方がはっきりします。
チェックリスト
- 「2」以外の教科を含めた内申の合計を、志望校の評価方式で計算し直す
- 志望校の偏差値の条件(回数・対象の回・平均か1回か)を公式に確認する
- これまでの北辰テストの結果を一覧にして、個別相談に持っていく
単願と併願で、確約の基準が分かれる場合
同じ学校でも、単願(その学校を第一志望として受ける)と併願(公立など他校とあわせて受ける)で、内申や偏差値の基準が違うことがあります。単願のほうが基準が低めに設定されている学校もありますが、そうでない学校もあるため、学校ごとの確認が必要です。
注意したいのは、単願で合格の見込みをもらった場合、その学校に入学することが前提になる点です。他校へも出願する併願と同じようには動けません。単願の条件の細かい決まり(辞退の扱い、手続きの期限など)は、学校の募集要項に書かれています。
「この学校が第一志望でほしい」という気持ちがはっきりしているなら、単願という選択肢を検討する価値はあります。迷いがある段階で、基準が低いことだけを理由に単願を選ぶのはおすすめしません。入学後の通学や学び方まで含めて、本人と一緒に決めてください。
チェックリスト
- 志望校の単願と併願の基準を、別々に調べる
- 単願の場合の出願・辞退・手続きの決まりを募集要項で確かめる
- 「単願なら基準に届くか」を、個別相談で率直に質問する
個別相談はいつ行く?2学期の通知表を待たなくてよい理由
「2学期の成績が上がれば、まだ立て直せる」という考えは、間違いではありません。ただし、動く時期には注意が必要です。
私立高校の個別相談は、秋ごろから学校ごとに日程が組まれます。開催の時期や回数は学校によって違うため、志望校の公式サイトや説明会の案内で、日程と予約方法を早めに確認してください。人気の日程は埋まることがあります。
一方で、2学期の通知表の評定が保護者に伝わるのは、多くの中学校で、三者面談のある年内の遅い時期です。「通知表が出てから相談しよう」と待っていると、相談できる日程が減っているかもしれません。
2学期の通知表を待たずに、1学期の評定と、直近の北辰テストの結果を持って、早めに個別相談へ行くことをおすすめします。基準に届いていなくても、「どの教科がどのくらい上がれば条件に近づくか」を聞けることがあります。そのうえで、2学期の残りの期間に何を優先するかが決まります。
個別相談では、学校の示す基準を確かめ、いまの状況を正直に話すことが基本です。評定を実際より良く見せたり、基準を曖昧なままにして話を進めたりしても、あとで困るのは本人です。実際の数字を出して、「この条件なら受けられるか」を聞いてください。
聞くことの例です。メモにして持っていくと、聞き漏らしを減らせます。
- 内申の基準は、何科で、何点以上か
- 教科ごとの最低ライン(「2」がある場合の扱い)はあるか
- 北辰テストなどの偏差値の条件はあるか。ある場合、回数や対象の回はどうなっているか
- 2学期の評定は、いつまでに誰が学校へ伝えればよいか
- 単願と併願で、基準や手続きはどう違うか
足りないものが「この教科のこの点数」とはっきりすれば、家庭で進めることと、外の力を借りることを分けて考えられます。
チェックリスト
- 志望校ごとの個別相談の日程と予約方法を、公式サイトで調べる
- 1学期の評定と、直近の北辰テストの結果を持っていく
- 聞くことをメモにして、基準と手続きを書き留めて帰る
「2」がついた後の過ごし方は、別の記事でも整理しています。
→ 通知表に「2」がある中3へ|2学期でできることと確約への影響
→ 確約があっても不合格になる?私立高校で起きる5つのケース
残りの期間で苦手教科を立て直すには、家庭だけで抱え込まず、外の力を借りる選択肢もあります。ただ、料金や指導内容は会社によって大きく違うため、1社の説明だけでは判断しにくいのが実情です。塾や家庭教師、通信教育などの選択肢は、料金・指導の形・サポート内容といった同じ項目で見比べてから、必要かどうかを決めてください。
まとめ:「2」は、確かめる順番を決めれば整理できる
通知表に「2」がついても、そこで志望校をあきらめる必要はありません。一方で、学校ごとの条件を確かめずに「たぶん大丈夫」と考えるのも危険です。次の点を順に押さえてください。
- 「2」は絶対評価の結果で、観点別の評価を見れば、直せる要素が見つかることがある
- 志望校が内申を3科・5科・9科のどれで見るかで、「2」の重みは変わる
- 教科ごとの最低ラインや、偏差値の条件は学校ごとに違うので、公式の募集要項と個別相談で確かめる
- 単願と併願で基準や手続きが違う学校がある
- 個別相談は、2学期の通知表を待たずに、1学期の評定と北辰テストの結果を持って早めに行く
親御さんが次にやることは3つです。まず、通知表の観点別の評価を見て、「2」の理由を確かめます。次に、志望校の評価区分と最低ラインを公式サイトで調べます。そして、聞くことをメモにして、早めに個別相談を予約します。
入試の日程は学校ごとに違うため、出願や手続きの時期は、各校が公表している募集要項で確かめてください。たとえば、昌平高校の募集要項は次の記事にまとめています。学校ごとに手続きの期限や延納の扱いが違う例として、参考にしてください。






