「まだ第一志望校が決まっていないのに、北辰テストの志望校欄に何を書けばいいの?」
「毎回違う学校を書いてしまったけれど、確約に響くのだろうか」
夏から秋にかけて、こうした声をよく聞きます。仕事や家事の合間に学校を調べる時間は取りにくいですから、迷って当然です。志望校欄の扱いで不安になる保護者の方は少なくありません。
結論から言うと、志望校欄の書き方で確約が決まるわけではありません。ただ、同じ学校を続けて書くと「合格ラインまであと何点か」の推移が追いやすくなるので、迷っているなら仮でもよいので本命候補を決めて書くのがおすすめです。
この記事では、北辰図書の公式ページで確かめた仕組みをもとに、志望校欄の書き方、個人成績票の見方、学校選択問題タイプで気をつけたい点、そして「あと何点」が見えたあとにやることをお話しします。
この記事でわかること
- 確約は志望校欄ではなく、各校の基準で決まるという大前提
- 志望校欄の公式な書き方と、判定の仕組み
- 個人成績票でチェックしたい5つの表示
- 志望校が決まっていないときの考え方
- 学校選択問題タイプを受ける人の注意点
志望校欄は何のためにある?確約を決めるものではありません
最初にはっきりさせておきたいのは、志望校欄は確約の可否を決める欄ではない、ということです。
確約の基準は、学校ごとに決まっています。多くは北辰テストの偏差値や内申点、欠席日数などで示され、学校によって数字も、見る回も、見る方法も違います。基準の中身は学校ごとに違うので、気になる学校の募集要項や個別相談で確かめてください。
では、志望校欄に意味がないのかというと、そうではありません。北辰図書の公式ページによると、志望校欄に書いた学校について、過去の入試結果をもとにした「志望校判定」が出ます。判定は最大4校まで受けられます。
つまり志望校欄は、確約のための手続きではなく、自分の現在地を知るための欄です。この位置づけを押さえておけば、「書き方ひとつで有利になる」と期待しすぎることも、「どうせ関係ない」と適当に埋めてしまうことも避けられます。
確約の仕組みそのものを整理したい方は、こちらもあわせてご覧ください。
志望校欄の書き方|公式ページで確かめた仕組み
志望校カードの書き方
北辰図書の公式ページ(志望校判定の準備)で確認できた内容は、次のとおりです。
- テスト実施日の1週間前から、「志望校カードの書き方」が公式ページに掲載される
- 判定を受けたい学校を、第1志望から第4志望まで選ぶ
- 当日は座席に置かれた志望校カード(マークシート用紙)に、学校名とコード番号を志望順に記入してマークする
- マークを間違えると、正しい判定が出ないことがある
- 「志望校カードの書き方」に載っていない学校は、判定できない
- 面接、調査書、傾斜配点、実技などは判定に考慮されない
とくに大切なのは、判定が「北辰テストの成績だけ」を見たものだという点です。調査書(内申)や面接は入っていません。判定が良くても、内申や欠席日数が学校の基準に届いていなければ、確約の話は進みません。反対に、判定が厳しくても、それだけで可能性がなくなるわけではありません。判定は参考のひとつとして見てください。
回ごとに学校を変えてもよい?
公式ページには、回ごとに違う学校を選んでもかまわない、と書かれています。ですから「毎回同じ学校を書かないと不利になる」ということはありません。
それでも「できれば固定して書く」ことをおすすめするのは、次の理由からです。
理由1:同じ学校の推移が追える
個人成績票には、同じ志望校についての過去最大3回分の判定が載る項目があります(詳しくは次の節で説明します)。同じ学校を書き続けるほど、判定が良くなっているのか、足踏みしているのかが一目でわかります。
親子で「あと少しで届きそうだ」「この科目が足を引っ張っている」と話すとき、推移がそろっていると会話の材料になります。
理由2:個別相談の準備に使える
個別相談では、成績票を持参して「今の位置はここです」と見せながら相談する家庭があります。同じ学校の判定が並んでいると、説明がしやすくなります。
ただしこれは、志望校欄の記録が学校側の評価や基準になる、という話ではありません。あくまで、家庭の側が自分の状況を整理して相談するための資料になる、という意味です。単願確約を考えている場合も、志望動機は成績票ではなく、本人の言葉で伝えられるようにしておくことが大切です。
個別相談の場で親が気をつけたい点は、こちらの記事にまとめています。
→ 高校受験で伸びにくい勉強のNG行動6つ|教材と課金の見直し
個人成績票でチェックしたい5つの表示
志望校欄を書くと、個人成績票に志望校に関する表示が出ます。北辰図書の公式ページでは、次のA〜Eの5つが挙げられています。成績票が届いたら、偏差値の数字だけで終わらせず、ここまで見てほしいと思います。
A:判定と合格の可能性
- 志望校ごとの判定と、合格の可能性が示される
- 見るときは、判定の文字より「偏差値がどのくらい足りているか」「足りていないか」を意識する
B:1ランク上の判定に必要な点数の目安
- 判定をひとつ上げるのに、あと何点必要かの目安が出る
- すでに安全圏の判定なら、この表示は出ない
- これから受ける回の目標点を決めるときに使いやすい
C:先輩の入試データ
- その学校の入試を受けた先輩が、中3のときに北辰テストで取った成績が、グラフで示される
- グラフの上で、自分がどのあたりにいるかがわかる
D:同じ学校を目指す受験者の成績分布
- 同じ学校を志望した人の成績分布と、第1志望者の中での自分の位置がわかる
- 志望者が多い学校ほど、相対的な位置を見ておく意味がある
E:志望校判定の推移
- 同じ志望校について、過去最大3回分の判定が並ぶ
- 書き続けるメリットを一番感じられるのはこの表示
なお、同じ北辰図書のサイトには「個人成績票の活用について」というページと解説動画もあります。見方に迷ったら、そちらも確認してみてください。
「あと何点」が見えたあとが本番
Bの「1ランク上に必要な点数の目安」が出ると、不思議と気持ちが落ち着く方が多いです。漠然と「偏差値が足りない」と悩むより、「あと数点」と具体的な数字になるからです。
ただ、数字が見えただけで点が上がるわけではありません。大事なのは、その点数をどの科目のどの分野で取るのかを決めることです。北辰テストの結果が悪かったときの声かけも含めて、親子の関係を保ちながら進めたいところです。
北辰図書の公式ページで確かめた日程では、2026年度の中3の北辰テストは、第6回(11月8日)、第7回(12月6日)、第8回(2027年1月31日)が、これから受ける回です。第7回の申込は11月5日から11月15日までです。さらに、第8回の志望校判定は、県公立高校のみが対象と公式ページに書かれています。私立高校の判定を参考にしたいなら、第7回までが目安になります。
点数の目標が見えたら、第7回と第8回までにどの科目のどの分野を直すのかを決めます。その差を家庭学習で埋めるのか、学校や通っている塾の先生にも相談するのかは、成績票の内訳を見てから考えれば間に合います。
志望校が決まっていないときの考え方
「第一志望が決まっていない」という状態は、決して遅れではありません。決まっていない時期にどう書くかを、整理しておきましょう。
まずは仮の本命を決めて書く
現時点で一番可能性が高そうな学校を、仮で構わないので第1志望に書いてみてください。途中で気持ちが変わったら、その回から書き換えれば大丈夫です。
毎回その場の気分で違う学校を書いていると、成績票を並べたときに判定の推移が学校ごとにバラバラになり、どの学校にあとどれくらいの差があるのか、親子でつかみにくくなります。候補を2校に絞って書き続ければ、1校はあと数点の差、もう1校はまだ差がある、といった形で比べられ、勉強の優先順位が話しやすくなります。もちろん、これで結果が約束されるわけではなく、学校選びの迷い自体が消えるわけでもありません。
併願校は「本当に受ける可能性がある学校」に絞る
最大4校まで書けるからといって、名前を知っているだけの学校を並べる必要はありません。受ける可能性が低い学校の判定を積み上げても、あとで見返したときに役立つ場面が少ないからです。
公立と私立の組み合わせも可能です。「本命の公立」「確約を考えている私立」といった形で、実際に検討している学校を選んでください。確約の基準が近年どう動いているかは、こちらの記事で触れています。
→ 確約の基準は下がらない?少子化でも私立が強気な3つの背景
変更するときは、理由を子ども自身が言えるように
志望校を変えること自体は悪いことではありません。ただし、変えるなら「なぜ変えるのか」を、本人の言葉で説明できる状態にしておきましょう。
個別相談で志望動機を聞かれたとき、保護者が代わりに話してしまう家庭もあります。志望校選びに保護者が口を出しすぎないことも、大事な視点です。共働きで時間が限られる家庭の関わり方は、こちらの記事が参考になります。
学校選択問題タイプを受ける人の注意点
北辰テストには、通常のタイプのほかに、数学と英語の難度が高い「学校選択問題タイプ」があります。公式ページによると、12月(中3第7回)と1月(中3第8回)の北辰テストで実施され、申込のときに問題タイプを選びます。
このタイプを選ぶと、志望校欄に制限がかかります。北辰図書の公式ページで確認した内容は次のとおりです。
- 第1志望は、埼玉県公立高校の学校選択問題実施校(23校)から選ぶ必要がある
- 第2〜第4志望は、他の学校選択問題実施校を含め、「志望校カードの書き方」に載っている学校から自由に選べる
- 通常タイプの北辰テストでは、第1〜第4志望とも、載っている学校から自由に選べる
- 申込と受験票の問題タイプが違うときは、すぐに北辰図書へ連絡する
対象の23校には、県立浦和、浦和第一女子、大宮、県立川越、川越女子、市立浦和などが含まれています。全校の名前は公式ページで確認してください。
注意したいのは、第1志望に私立高校を書きたい人が、うっかり学校選択問題タイプを申し込むと、書きたい学校を第1志望にできないという点です。私立が本命なら、通常タイプを選ぶ必要があります。申込の前に、どちらのタイプで何を書くつもりなのかを、親子で確認しておきましょう。
なお、埼玉県教育委員会の資料によると、令和9年度(2027年)の埼玉県公立高校入試は、5教科すべてでマークシート方式の問題と記述式の問題をあわせた学力検査になります。学校選択問題(数学・英語)も含まれます。これは公立入試本番の解答方法の話で、北辰テストの志望校欄の書き方が変わるという意味ではありません。混同しないようにしてください。
よくある質問とよくある失敗
Q. 中3の早い時期から、志望校を固定したほうがいいですか?
無理に固定する必要はありません。回ごとに違う学校を選んでもよいと公式ページに書かれています。ただ、確約を考える私立高校の基準に使われる回は、学校ごとに決まっています。気になる学校の募集要項で、どの回の北辰テストが対象かを早めに確認し、その時期までには本命候補を決めておくと動きやすくなります。
Q. 第2志望以降も真剣に選ぶべきですか?
はい。実際に受ける可能性がある学校を選んでおくと、判定が参考になります。ただし、判定は北辰テストの成績だけを見たものです。内申や面接は入っていないので、数字はあくまで目安としてください。
Q. 志望校カードのマークを間違えたらどうなりますか?
公式ページには、マークを間違えると正しい判定が出ない、と書かれています。コード番号は事前にメモしておき、当日は1桁ずつ落ち着いてマークするよう、お子さんに伝えておいてください。
よくある失敗のチェックリスト
- 志望校欄を書けば確約が有利になると思い込み、偏差値や内申の対策が後回しになっている
- 毎回学校が変わり、判定の推移が追えない
- 名前を知っているだけの学校を併願校に並べている
- 学校選択問題タイプを申し込んだせいで、第1志望に書きたい学校が書けなかった
- 保護者だけで志望校を決め、本人が理由を説明できない
- コード番号のマークミスで、判定が出ていない
どれも、本来力を入れたい偏差値・内申点の対策から意識がそれてしまう、という点が共通しています。
まとめ:志望校欄は「現在地を知る欄」。数字の対策を忘れずに
- 確約の基準は学校ごとに決まっていて、志望校欄の書き方で決まるものではない
- 志望校判定は北辰テストの成績だけを見たもので、内申や面接は入っていない
- 回ごとに学校を変えてもよいが、同じ学校を書くと判定の推移が追いやすい
- 個人成績票では、判定だけでなく「1ランク上に必要な点数」「先輩の入試データ」「判定の推移」まで見る
- 学校選択問題タイプは第1志望が23校に限られるので、申込前にタイプを確認する
- これから受ける北辰テストは第6回(11月8日)、第7回(12月6日)、第8回(2027年1月31日)。第8回の志望校判定は県公立のみ
次にやることは、3つです。まず、仮でよいので本命候補を1〜2校決めること。次に、気になる私立高校の募集要項で、確約に使われる北辰テストの回と基準を確かめること。最後に、次の成績票が届いたら、偏差値だけでなく「あと何点」の欄を親子で一緒に見ること。
志望校欄は、それ自体が合否を左右する欄ではありません。けれど、使い方しだいで、受験までに何をすればよいかを教えてくれる、心強い手がかりになります。
この記事で確認した資料
- 北辰テスト 志望校判定の準備(北辰図書)(2026年11月4日確認)
- 北辰テスト(北辰図書)(2026年11月4日確認)
- 学校選択問題タイプの北辰テスト(北辰図書)(2026年11月4日確認)
- 令和9年度埼玉県公立高等学校入学者選抜 マークシート方式及び記述式による学力検査を受検するときの注意について(埼玉県教育委員会)(2026年11月4日確認)






