埼玉県公立高校の学力検査は、2027年2月25日(木)です。北辰テストの第6回は11月8日(日)、第7回は12月6日(日)で、10月21日の時点で、第6回までは18日、第7回までは46日でした。
「数学と英語に手一杯で、理科と社会はほとんど触れていない」
「理社は暗記だから直前でも何とかなると聞くけれど、本当にそうなのか」
そんな不安を抱えたまま、2学期の後半を迎えているご家庭は少なくありません。気持ちはよくわかります。理科・社会は、数学や英語のように「その日やったぶんだけ、目に見えて解ける」感覚が得にくく、後回しになりやすい教科だからです。
理科・社会は、11月からでも仕上げられます。ただし「最初から順番に全部やり直す」のではなく、「穴の場所を先に調べ、得点に直結しやすい単元から埋める」順番に変える必要があります。この記事では、つまずきの見分け方、11月から入試までの仕上げの順番、家庭でできること、そして家庭だけでは手が回りにくい部分までを整理します。
まず「間に合わない」の中身を見分ける
「理科・社会が間に合わない」と一言でいっても、中身はご家庭によってまったく違います。ここを見分けないまま問題集を買い足すと、時間だけが過ぎていきます。次のうち、お子さんに当てはまるものを探してみてください。
つまずきの見分けチェックリスト
- まだ習っていない(学校の授業が終わっていない)単元がある
- 習ったはずなのに、用語を聞かれると答えられない(覚えていない)
- 用語は言えるのに、グラフ・図・資料を見ると手が止まる(読み取れない)
- 計算が出てくる理科の単元(電流、力、密度など)だけ極端に弱い
- 社会で、地理・歴史・公民のうち特定の分野だけ手つかずになっている
- 定期テストでは点が取れるのに、北辰テストになると急に取れなくなる
- 問題集は何冊もあるが、どれも1周目の途中で止まっている
1つ目から2つ目は「量」の問題、3つ目から4つ目は「使い方」の問題、最後の2つは「進め方」の問題です。同じ「間に合わない」でも、必要な手当てはまったく別物になります。
特に見落とされやすいのが、「定期テストでは取れるのに、北辰になると取れない」パターンです。定期テストは範囲が狭く、直前に詰め込めば点が出ます。北辰は範囲が広く、中1・中2の内容も含めて問われるので、詰め込みが利きません。これは暗記量の不足というより、範囲全体の「穴」がどこにあるかを知らないことが原因であることが多いのです。
公立入試の理科・社会で、親が知っておきたい事実
仕上げの順番を考える前に、令和9年度(2027年)の入試について、県教委が公表している事実を確認しておきます。
- 学力検査の日:令和9年2月25日(木)
- 面接:2月26日(金)(全ての学校)
- 入学許可候補者の発表:3月5日(金)
- 解答方法:令和9年度から、学力検査にマークシート方式を導入。得点換算で、マークシート方式の問題が9割程度、記述式の問題が1割程度
ここから読み取れる、理科・社会の勉強への影響は次の2点です。
1つ目は、問題の約9割がマークシートで答える形式だということです。選択肢から選ぶ問題は、「用語をすべて正確に書ける」ところまで覚えなくても、「見たことがある」「違いがわかる」レベルで得点できる場面が増えます。反対に、選択肢の中から正しいものを選ぶには、似た用語の違いや資料の読み取りが必要になります。丸暗記だけでは通用しにくい形式です。
2つ目は、記述式が1割程度は残るということです。理科・社会の入試で記述が出ると、白紙のまま出す子が一定数います。ここは全員が取れる問題ではないぶん、少しでも書ければ差がつく部分です。ただし、配点の大きな割合ではないので、記述対策に時間をかけすぎるより、先に選択式の基礎を固めるほうが効率的です。
なお、解答の形式や出題の基本方針は、今後も県教委のページで更新される可能性があります。現在の内容は、必ず埼玉県教育委員会の「令和9年度埼玉県公立高等学校入学者選抜に関する情報」のページで確認してください。
11月から仕上げる順番:4つのステップ
ここからが本題です。11月に入ってから理科・社会を仕上げるなら、次の順番で進めることをおすすめします。ポイントは、「全部やり直す」ではなく、「穴を調べて、小さく埋める」ことです。
ステップ1:穴の地図をつくる(10月下旬〜11月上旬)
最初にやるのは、勉強ではなく「調べる」ことです。これまでの北辰テストの成績表や、学校の定期テストの答案を見直して、どの単元で点を落としているかを書き出します。
- 北辰の成績表(設問別・分野別の正答状況が載っている場合は、そこを見る)
- 定期テストの答案(中1・中2のものがあれば、なお良い)
- 問題集の途中で止まっている単元
理科なら「物理・化学・生物・地学」の4分野、社会なら「地理・歴史・公民」の3分野に分けて、各分野に「◎得意・○普通・△苦手・×手つかず」の印を付けるだけで構いません。親子で10分もあれば終わります。
この地図がないまま勉強を始めると、得意な単元ばかり復習して気分は良くなるのに、点は上がらない、という状態になりがちです。
ステップ2:まだ習っていない単元を先に終わらせる
学校の授業が終わっていない単元がある場合は、それを最優先にします。習っていない単元は、そもそも点を取る準備ができていないからです。
例えば、公民や歴史の近現代、理科の地球と宇宙・環境といった単元は、学校の進度によって年明けまで授業が続くことがあります。これらの単元がどこまで終わっているかは、学校や学年の先生に確認しないとわかりません。学校のスケジュールは学校ごとに違うため、「学校の進度表」を一度見せてもらうか、担任や教科担当に聞いておくのが確実です。
ステップ3:「選択式で取れる基礎」を、分野ごとに1周する
穴の地図ができたら、苦手な分野から順に、基礎レベルの問題を1周します。このとき、一度に全分野を回そうとせず、1日に1つの単元だけ、30分〜40分で終えられる分量に区切るのがコツです。
- 社会:用語を書く練習より先に、「選択肢から正しいものを選ぶ」問題を解く。間違えた問題だけ、教科書の該当部分に戻る
- 理科:計算が出る単元(電流、力、密度、化学変化の量の関係など)は、解き方の型を1つ覚えるだけで点になることが多いので、先に押さえる
- どちらも:間違えた問題に印を付け、3日後にもう一度解く
マークシート中心の形式になるため、「正解の用語を思い出す」力よりも、「選択肢の違いを見分ける」力が試されます。問題を解いたあと、「なぜほかの選択肢は違うのか」まで一言で言えるかを確認する習慣をつけておくと、定着が速くなります。
ステップ4:12月以降は、北辰と過去問で「本番の形式」に慣らす
12月6日の北辰(第7回)の前後からは、時間を計って解く練習に入ります。理科・社会は、知っている問題でも、資料やグラフを読むのに時間がかかり、最後の問題まで届かないことがあります。本番と同じ時間配分で解く経験を、少なくとも数回は積んでおいてください。
過去問を解くのは、基礎の1周が終わってからで構いません。基礎が固まっていない段階で過去問を解くと、点数が低くて落ち込むだけで、何を直せばいいのかが見えにくくなります。
日付で割ると、何日あるのか
順番がわかったら、次は「いつまでに」を決めます。記事を公開した2026年10月21日(水)から、各日までの日数は次のとおりです。
- 北辰テスト第6回(11月8日)まで:18日
- 北辰テスト第7回(12月6日)まで:46日
- 公立入試の学力検査(2月25日)まで:127日
北辰テストの2026年度の中3の日程は、第6回が11月8日(日)、第7回が12月6日(日)の予定です。念のため、正式な日程は北辰テストの公式案内や、お子さんの塾・学校で確認してください。
この日数を、先ほどの4ステップに割り当てると、次のような目安になります。
- 11月8日の北辰まで(10月21日の時点で18日):ステップ1と2を終え、ステップ3を1〜2分野進める
- 12月6日の北辰まで(同じく46日):ステップ3を全分野で1周する
- 12月7日以降:間違えた問題の再確認と、時間を計った演習(ステップ4)
ここで大切なのは、11月8日の北辰では、理科・社会の結果を「現在地の確認」と割り切ることです。この時期に思うように点が取れなくても、それは「穴の場所がわかった」という成果です。12月6日の北辰までに穴を埋められれば、その後の見直しにつなげられます。
私立の確約や併願を考えているご家庭は、個別相談会までの流れと北辰の結果の使われ方も、あわせて確認しておくと動きやすくなります。
→ 【2027年入試】埼玉県公立・私立高校入試の年間スケジュール
家庭でできること、手が回りにくいこと
ここまでの内容は、ご家庭でも取り組めます。親ができるサポートとして、特に効果が出やすいのは次の3つです。
- 穴の地図づくりに付き合う(10分で終わるので、一緒に書き出す)
- 1日のうち、理社に使う時間を「30分」など固定して、予定表に書く
- 解いた問題の答え合わせを、親が丸付けするのではなく、お子さんに「なぜその答えか」を口で説明してもらう
一方で、ご家庭だけでは手が回りにくい部分も、はっきり出てきます。
- 間違えた問題の「理由」を教えてあげられない(親も内容を忘れている)
- 計算が出る理科の単元で、解き方のつまずきがどこにあるのかを見抜けない
- 資料・グラフの読み取りで、どこを見ればよいかの手順を教えられない
- 毎日の学習量を見守るだけで、親子の会話がぎくしゃくしてしまう
理科・社会は、本人の勉強量だけでなく、「わからない箇所をその場で解消できるか」で進み方が大きく変わります。入試までの期間は限られているので、わからないまま1週間放置すると、取り返すための時間が足りなくなる場面が出てきます。
塾・個別指導・家庭教師を、理社でどう使い分けるか
理科・社会に外部の力を借りるかどうかは、お子さんの状況で変わります。それぞれの特徴を、理社の仕上げという目的に絞って整理します。
集団授業の塾
授業の進度が決まっているため、範囲の全体像をつかむのに向いています。一方で、お子さんの穴の場所に合わせて授業を変えることはできません。すでに塾に通っていて、授業は受けているのに理社の点が伸びないときは、授業の問題ではなく「復習の仕方」に原因があることもあります。
個別指導塾
教室に通い、決まった時間にその場で質問できる形です。移動時間がかかるぶん、1回あたりの授業時間は限られます。理社のように「暗記と確認」の時間が長い教科は、授業の中身より、授業外の自習の質が結果を左右します。
家庭教師
自宅で、お子さんの穴に合わせて、ピンポイントで教えてもらう形です。通う時間がいらないので、学習時間そのものを確保しやすくなります。ただし、講師との相性や、料金体系は会社によって大きく違います。入会金、教材費、交通費の有無まで含めて、入試までの総額で比べる必要があります。
どの形を選ぶにしても、頼む前に「理社のどの分野の、どこまでを、いつまでに終えたいのか」を決めておくと、依頼の仕方が具体的になります。この点は、他の教科でも共通します。
→ 苦手な1教科だけ外部に頼むとき、先に確認したい7つのこと
穴の地図づくりから12月6日の北辰までの段取り
最初の1週間でやること
- 北辰の成績表と定期テストの答案を並べ、理科4分野・社会3分野の穴の地図をつくる
- 学校の授業の進度(まだ習っていない単元)を担任や教科担当に確認する
- 理社に使う時間を、1日30分など固定して予定表に書く
- 11月8日の北辰の申込みと会場、持ち物を確認する
11月8日の北辰までにやること
- 習っていない単元を終わらせる
- 苦手な分野から、基礎レベルの問題を1周する
- 家庭では教えきれない部分があれば、外部の力を借りるかどうかを決める
12月6日の北辰までにやること
- 全分野で基礎の1周を終える
- 間違えた問題を3日後・1週間後に解き直す
- 時間を計って、本番と同じ形式で解く練習を始める
外部の力を借りるかどうかを11月8日の結果が出てから考え始めると、12月6日の北辰までの間隔は4週間です。理社の穴を埋める時間としては、余裕のある長さではありません。比べる作業だけでも、11月8日より前に済ませておくと動きやすくなります。
まとめ:理科・社会は「順番」を変えれば、11月からでも間に合う
- 「間に合わない」の中身は、量・使い方・進め方のどれかを見分ける
- 公立入試は2月25日。問題の約9割がマークシート方式、約1割が記述式(県教委の発表)
- 仕上げの順番は、穴の地図 → 未習単元 → 基礎の1周 → 本番形式の演習
- 北辰第6回(11月8日)は現在地の確認、第7回(12月6日)までに基礎の1周を終える
- 家庭では教えきれない部分が出たら、頼む前に「分野・範囲・期限」を決めておく
まず、親子で10分、穴の地図をつくってみてください。理科・社会は、何がわからないのかが見えた時点で、やることが半分決まります。そのうえで、家庭だけでは足りない部分があれば、外部の力を借りる選択肢も、早めに比べておく価値があります。
この記事で確認した資料
- 令和9年度埼玉県公立高等学校入学者選抜の日程(2025年5月22日)、令和9年度埼玉県公立高等学校入学者選抜学力検査問題について(2025年7月24日)






