中3の2学期で内申点は上げられる?提出物とテストの4つの工夫

「三者面談で1学期の通知表を見せられて、『この内申だと志望校は厳しいですね』と言われました」

「もう公立は無理なのでしょうか。志望校を下げたほうがいいのか迷っています」

仕事や家事の合間に時間をつくって面談に行き、そこで厳しい言葉を聞いて帰ってくる。気持ちが沈むのは当然だと思います。1学期の評定は、この時期に多くのご家庭が重く受け止める数字です。

結論から言うと、中3の1学期の内申だけで「公立は無理」と決めるのは早すぎます。2学期の提出物・授業態度・定期テストは、まだ内申に反映される可能性が高く、立て直す余地は十分にあります。

ただし、2学期の成績がどの時点まで調査書に使われるかは中学校によって異なるため、確かめ方も含めて整理します。この記事では、埼玉県の公立入試で内申がどう使われるか、2学期が分岐点になる理由、家庭でできる具体策、外部の力を借りるときの考え方をお伝えします。

埼玉の公立入試で、内申点はどう使われるのか

まず前提を整理します。埼玉県の公立高校入試では、当日の学力検査に加えて、中学校が作成する調査書の得点が合否判定に使われます。現在の中3は、令和9年度(2027年)入試の学年です。

埼玉県教育委員会の「令和9年度埼玉県公立高等学校入学者選抜実施基本方針」によると、この年度から次のような変更があります。

  • 選抜の種類:学力検査・調査書・面接で選抜する「共通選抜」と、学校ごとに方法を定める「特色選抜」がある
  • 調査書の記載項目:「各教科の学習の記録」(9教科の5段階評定)と「総合的な学習の時間の記録」
  • 面接:全受検生に個人面接または集団面接を実施する
  • 自己評価資料:受検生が自分で記入して提出する。資料そのものは評価せず、面接の参考にする

内申に関わる部分は次のとおりです。9教科の評定を学年ごとに合計すると45点満点になります。その1年・2年・3年の合計に、学校ごとに選んだ比率(共通選抜では1:1:1、1:1:2、1:1:3のいずれか)をかけて足し、調査書の得点にします。

つまり「内申は全校一律の計算」ではなく、志望校がどの比率を選んでいるかで、3年生の成績の重みが変わります。比率は各校の「選抜実施内容」で公表されるので、志望校のものを必ず確認してください。仕組みをもう少し詳しく知りたい方は、こちらもあわせてどうぞ。

→ 埼玉の公立入試で中1・中2の通知表はどう使われる?

もう一点、東京都のように実技教科の評定を2倍にするような傾斜は、県教育委員会の方針には書かれていません。9教科はいずれも5段階で、同じ45点満点の枠に入ります。実技教科も、5教科と同じ重みで合計に入ると考えてよいでしょう。

3年生の評定は、いつまでの成績で決まるのか

ここで多くの方が気にされるのが、「3年生の評定は、いつの成績までが入試に使われるのか」です。調査書は出願(2027年1月26日から2月9日まで)に合わせて中学校が作成します。そのため、3学期の成績が間に合うかどうかは中学校の事務の都合によって変わります。

2学期(2学期制の学校なら後期の途中まで)までの成績をもとに調査書をつくる中学校もあります。ただし、公式に統一されたルールは示されていません。お子さんの中学校でどの時点までの成績を使うのかは、学校の先生に直接確かめるのが確実です。

  • 三者面談で「調査書に使う成績は、いつの学期末までのものですか」と聞く
  • 2学期制か3学期制かをあわせて確認し、通知表が出る日をカレンダーに書いておく
  • 「いまの評定が、そのまま調査書の評定になるわけではない」ことを先生に確認する

どの時点で区切られるにしても、1学期の結果だけで調査書が固定されるわけではありません。2学期の取り組みが評定に反映される余地は、まだ残っています。

志望校の目安として、公立高校の偏差値を一覧で見たい方は、こちらの記事が役に立ちます。

→ 埼玉県公立高校偏差値ランキング【2026年度】

なぜ2学期が内申の分岐点になるのか

1学期の評定が低めだった子が、2学期に立て直せる理由は、主に3つあります。

1. 提出物・授業態度の取りこぼしに気づける時期だから

評定は、定期テストの点数だけで決まるわけではありません。提出物の期限、授業中の発言や取り組み、実技教科の課題など、学校が評価の観点として示している部分が、思った以上に影響します。

1学期は、部活動や新しいクラス、新しい先生との関係づくりに追われ、こうした細かい部分に手が回らない生徒が多くいます。2学期に入って生活のリズムが落ち着いてから、自分で取りこぼしに気づいて直せるかどうかが、最初の分かれ目です。

2. 定期テストのクセがつかめてくる時期だから

先生ごとの出題の傾向、ワークのどこから出るか、テスト前にいつ何をしておけばよいか。受験を意識して取り組み始めると、こうしたことが少しずつ見えてきます。1学期のうちは受験生としての意識がまだ固まっていない生徒が多く、2学期にスイッチが入ることは珍しくありません。

3. 危機感が行動に変わるまでに時間がかかるから

1学期の通知表や、夏休みから秋にかけての北辰テストの結果を見て、はじめて「このままではまずい」と実感する生徒が少なくありません。ただ、危機感を持ってから、勉強の量や質が実際に変わるまでには時間がかかります。その成果が数字として現れるのが、ちょうど2学期の評定です。

逆に、2学期に失速しやすいパターン

1学期に良い評定を取っていても、2学期に落とす生徒がいます。よく見られるのは次の3つです。

  • 部活を引退したあとの生活を組み直さない:時間ができたのに、使い方が決まらないまま過ぎてしまう
  • 評定がよいので北辰テストも大丈夫だと思い込む:内申と北辰の偏差値は別の物差しなので、片方がよくても安心できない
  • 体育祭・文化祭・実力テストで予定が詰まり、定期テスト対策が手薄になる:忙しい時期ほど、逆算した計画が必要になる

1学期の結果に安心しすぎることも、落ち込みすぎることも、あまり意味のある反応ではありません。2学期をどう過ごすかを具体的に決めるほうが、ずっと大切です。

内申点と北辰テストの偏差値は、何を測っているのか

ここで、内申点と北辰テストの違いを整理しておきます。

  • 内申点(調査書の評定):通っている中学校での評価。定期テストの点数だけでなく、提出物や授業への取り組みも含まれる
  • 北辰テストの偏差値:埼玉県内の多くの受験生の中での、学力検査に近い形式の問題での立ち位置

「内申は悪くないのに北辰の偏差値が低い」「北辰の偏差値は高いのに内申が伸びない」というお子さんは、珍しくありません。公立高校の合否に北辰テストの結果がそのまま使われるわけではありませんが、当日の学力検査の得点力を見る目安にはなります。

公立高校は、先ほど見たとおり、学力検査(500点満点)・調査書・面接を合算して決まります。内申だけ、偏差値だけで結果が決まるのではなく、両方をバランスよく押し上げることが大切です。

私立高校の確約を相談する個別相談会は、秋に行われることが多い時期です。この段階では、資料として主に1学期までの通知表が使われることが多く、基準に少し届かない場合は、2学期の成績について相談することもあります。基準は学校ごとに異なり、公表されていないものもあります。公表されていない部分は、個別相談会で何を、どう確認すればよいかを事前に整理してから臨むと安心です。

→ 内申・北辰の確約基準一覧【2027年入試】埼玉私立の学校別

確約の仕組みや保護者の関わり方については、こちらの記事も参考になります。

→ 併願確約は取るべき?2027年入試で保護者が知ること

家庭でできる、2学期の内申を底上げする4つの具体策

まずは家庭でできることから整理します。反抗期の中学生に「自分で計画を立てなさい」と言っても難しいのが現実です。そこで、親が少しだけ管理の仕組みを用意する、という考え方で4つ紹介します。全部を完璧にやる必要はありません。できそうなものから一つずつで大丈夫です。

1. 提出物カレンダーを目に見える場所に貼る

教科ごとの提出期限を、カレンダーやホワイトボードに一覧にします。前日に慌てて仕上げるのではなく、数日前に終えるルールにしておくと、出し忘れや雑な仕上がりを防げます。提出物は先生が評価の材料にしやすい部分なので、手をつけやすく効果も見えやすい対策です。

2. 定期テストの2週間前から、逆算して計画を立てる

部活を引退する時期と重なる2学期は、生活リズムを組み直すチャンスです。テスト範囲の発表を待たずに、授業の進み具合から範囲を予想して、学校のワークを早めに1周しておきます。そうすると、テスト直前の詰め込みを避けられます。

3. 実技教科を後回しにしない

先ほど見たように、9教科の評定はいずれも同じ5段階です。音楽・美術・保健体育・技術家庭の提出物や実技の課題を丁寧に出すことは、取り組みやすいわりに評定への影響が小さくない対策といえます。

4. 返ってきた答案を「間違えた理由」で分ける

計算ミスなのか、覚えていなかったのか、時間配分の失敗なのか。理由ごとに分けて、次のテストの対策に反映させるだけで、点数の安定感が変わってきます。

4つとも、1学期の評定が志望校の目安にあと少し届かなかったときに、親子で始めやすいものです。たとえば提出物の一覧をつくり、提出期限の3日前を自分で決めた締め切りにするだけでも、提出物の抜けは減らせます。点数がすぐに上がらなくても、「やれば変わる」という手応えが残ることが、冬の学習を続ける支えになります。

部活動の成績が内申にどう関わるかが気になる方は、こちらをご覧ください。

→ 部活の県大会出場は内申点に?令和9年度入試の調査書

また、ゲームやスマホとの付き合い方で親子の言い合いが増えている場合は、こちらも参考になります。

→ 受験生のゲームは禁止しないほうがいい?中3のルールの決め方

学力検査対策として、理科・社会の仕上げ方についての記事もあわせて確認しておくと安心です。

→ 令和9年度の公立入試は理科社会も暗記だけでは足りない

集団塾・個別指導・家庭教師を、どう使い分けるか

集団塾は、カリキュラムが整っていて、演習量を確保しやすいのが強みです。北辰テストの過去問演習や志望校別の対策など、集団でこそ得られる環境もあります。

一方で、多人数を前提にした授業では、一人ひとりの提出物の進み具合や、実技教科を含めた評定対策まで、細かく見るのが難しい面があります。これは形式による限界で、講師個人の力量の問題ではありません。

個別指導や家庭教師のように1対1に近い形は、学校のワークの進み具合や定期テストまでの計画を、その子に合わせて見てもらいやすいのが特徴です。ただし、どの形が合うかはお子さんの性格や、いまの課題によって変わります。

家庭での提出物の管理やテスト前の計画づくりを、親子だけで続けるのが難しいと感じたら、外部の力を借りることも選択肢です。家庭教師は会社ごとに料金も講師も対応も大きく違います。1社の説明だけを聞くと、その内容が妥当かどうかを判断する物差しが手元にありません。そのため、先に複数社の料金と内容を並べて見ておくと、話を聞くときの基準になります。

そう考えると、2学期の評定にまだ反映される可能性があるうちに、家庭だけで抱え込まず、先に選択肢を知っておくことが、結果として判断を助けてくれます。

塾や家庭教師を選ぶときは、「どの教科を、どのくらいの頻度で、いくらで見てもらえるか」を、紙に書き出して比べるのが基本です。月謝のほかに入会金・教材費・交通費がかかるか、途中で講師を替えられるか、解約の条件はどうなっているかも、契約の前に確認しておきましょう。

よくある質問

Q. 中3の内申点には、3学期の成績も使われますか?

A. 公式に統一されたルールは示されていません。調査書は出願(2027年1月26日から)に合わせて中学校が作成するため、どの時点までの成績を使うかは中学校ごとに異なります。2学期までで区切る学校もありますが、お子さんの中学校の先生に確認するのが確実です。

Q. 2学期の評定が上がれば、北辰の偏差値が低くても挽回できますか?

A. 内申と北辰の偏差値は別の指標です。公立高校の合否は、学力検査・調査書・面接の合計で決まります。評定が上がれば合計点の余裕は増えますが、学力検査の得点が足りなければ、それだけで埋めるのは難しい場合もあります。両方を引き上げる意識が必要です。

Q. 内申点と学力検査の得点は、どのくらいの比率で合算されますか?

A. 学力検査は各教科100点の500点満点です。調査書は、共通選抜では学年の比率(1:1:1、1:1:2、1:1:3)と、200点・300点・400点のいずれかへの換算を学校が選びます。面接は30点満点を基本に、学校が1倍か2倍かを選びます。志望校の「選抜実施内容」で必ず確認してください。特色選抜は学校ごとに方法が異なります。

まとめ:1学期は途中経過、2学期の過ごし方でまだ変えられる

1学期の内申は、受験全体から見れば途中経過です。大切なのは、その結果をどう受け止めて、2学期の行動に変えるかです。

  • 公立入試の調査書は、9教科×5段階を学年ごとに合計し、学校が選んだ比率で合算する。志望校の比率を確認する
  • 3年生の評定がいつの成績までか、中学校の先生に直接確かめる
  • 2学期に伸びる子は、提出物、テストの傾向の把握、危機感の行動化ができている
  • 内申と北辰の偏差値は別の物差し。公立は学力検査・調査書・面接の合計で決まる

お子さんの1学期の通知表を見て不安になる日もあると思います。まずは、中学校の先生に評定の区切りを確認し、志望校の選抜実施内容を調べるところから始めてください。

学力検査は2027年2月25日(出願は1月26日から2月9日まで)です。2学期の評定を整えつつ、学力検査に向けた勉強も同時に進めていく時期です。家庭だけで管理しきれないと感じたら、先に料金や内容を比べておくと、判断がしやすくなります。

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